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越境クリエイターの働き方

オランダの環境がクリエイターの越境を促進する

吉田和充

博報堂でのCMプランナー勤務を経て、現在オランダでクリエイティブ業務に携わる吉田和充さん。「課題を見つけ、協業作業で解決することが得意なクリエイターは、越境に向いている。特にオランダは越境しやすい環境が整っている」と話す。

吉田和充(よしだ・かずみつ)
1972年東京生まれ。博報堂、博報堂九州でCMプランナー/ディレクターを経て、1年間の育児休暇を取得し家族でアジア放浪へ。2016年オランダへ移住。広報・広告、マーケティング、企業の成長戦略策定、ブランディング、新規事業立ち上げ、新商品開発、Web制作、サービスデザイン、海外進出などクリエイティブ業務全般を担当。2017年アドタイにて「クリエイティブシティ アムステルダムから送る『越境のススメ』コラムを連載。

子どもに海外の教育を受けさせたいと移住を決心

現在オランダ アムステルダムでクリエイティブの仕事に携わる吉田和充さん。日本からオランダに渡ろうと考えたきっかけをたどると、博報堂本社から九州への転勤に行き着くという。「博報堂本社でCMプランナーをしていた頃は、平日も休日も区別なく、毎日深夜まで仕事をする生活をしていました。今から十数年前のことです。大変でしたが、やりがいを感じていたので、特に苦ではありませんでした」。

その状況を一変させたのは、2008年のリーマンショック。広告の予算が激減し、CMの案件自体も大きく減った。デジタルが台頭し、産業の構造自体が大きく変わる中、これまでの広告のキャリアが通用しなくなるのではないか?という不安が頭をもたげた。「僕は生まれも育ちも東京です。一刻も早く閉塞感のある日本を飛び出し、世界を知らなければならないのではないか?と海外への異動願いを出しました」。

だが、出された辞令は「九州支社への転勤」だった。予想外の展開に戸惑ったが、行ってみるといい変化もあった。地域の仕事は経営者との距離が近く、中小企業の経営者たちは全力でぶつかると全力で受け止めてくれた。「吉田くん、これどうしたらいい?」と直接電話がかかってくることもしばしば。東京では考えられないことだった。

そんな中、プライベートでは長男が誕生。子どもが生まれたことで、子どもにどんな教育を受けさせるべきか?そのためにどんな環境がいいのか、と考え始めた。そして妻の次男妊娠をきっかけにある決心をした。それは「1年間の育児休暇を取ること」だ。妻と2人の息子と家族4人で主に東南アジアを周り、シンガポールやマレーシアで世界の教育を肌で感じた。この1年間を通じて、日本の常識は世界では通用せず、また、日本の多様性と世界の多様性はケタ違いだと感じ、長男の小学校入学に合わせて海外に移住しようと決心した。

ちょうどその頃、日本人は労働許可なしにオランダで働くことができると知った、調べていくと、「世界一子どもが幸せな国」として知られるオランダの教育方針にも魅せられた。そして、オランダに移住を決意した …

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