宅配クリーニングサービス「リネット」を運営するホワイトプラスで、ブランドディレクターとして活躍する中島規之さん。これまで5社でキャリアを積みながら、「生活者の日々の暮らしが変わるようなプロダクトづくり」という目標に向かって進んできた。
手痛い失敗をしてスキルだけでは足りないと気づいた
昨年会員数が25万人を突破した、業界初のネット完結型宅配クリーニング「リネット」。運営企業であるホワイトプラスのブランドディレクター 中島規之さんはこれまでに5つの業態の異なる会社・職種を越境しながら現在に至っている。
新卒で入ったシステムインテグレーターでは、Webエンジニアとして新規サイト立ち上げなどに携わった。3年後にデザイン事務所に転職。ディレクターとして、アパレルブランドのWebサイトの仕事を中心に企画・デザイン・システム全般をワンストップで担当した。
「社会に出た2003年頃は、Google上場やAppleのiTunesの成功が報じられ、日本でも堀江貴文さんが注目を浴びるなど、ITテクノロジーが時代を切り開いていました。それを見て、自分も人々の暮らしが変わるサービスをつくりたいと夢を持ったのですが、実際に就職してみると、ただのエンジニアでは何もできないことがわかった。そこで少しでも仕事の上流に行こうと考えていました」。
デザイン事務所の次は、婚活サービスを行う事業会社へ。デザイン、システムの両面から企画ができるクリエイティブディレクターとして、自社サイトなどのコミュニケーションツールをクリエイティブ面から改善提案、事業の成長につなげた。ボードメンバーとして上場まで経験したところで、今度こそ事業を丸ごと責任を持って経営しようと、ちょうど新規事業の責任者を募集していた企業に転籍した。そして4社目となるこの企業で、中島さんはキャリアの転機とも言える大きな失敗を経験する。
「立ち上げた事業が相当な損失を出してしまって。その分、別の事業を伸ばしたり事業売却をして、何とか巻き返したんですが…。その頃にホワイトプラス社長の井下孝之のセミナーを聞く機会があって、僕が失敗した理由に気づかされたんです」。社長の話によると、ホワイトプラスはサービスを立ち上げた2009年からブレイクスルーを果たす2013年10月まで、黒字化はしたものの事業は"低空飛行"状態が続いていたという …