電通のコミュニケーションプランナー加我俊介さんは、広告界で活躍する越境クリエイターの1人だ。バズ企画に店舗開発や展覧会プロデュース、正統派の広告まで、その仕事の幅は驚くほど広い。その秘密は、これまでに歩んできたキャリアに隠されていた。
外資系コンサルタントから片道きっぷで広告界へ
週プレ編集部による公式酒場「週プレ酒場」や日清食品のWebキャンペーン、明治R-1のCMキャンペーンなど、ジャンルを超えてあらゆる種類の広告を手がけているのが、電通のコミュニケーションプランナー加我俊介さんだ。なぜ、これほど多岐にわたる企画を提案し実現できるのか?その理由を本人に尋ねると、歩んできた独自の経歴にヒントがあることが見えてきた。
「僕は新卒で外資系コンサルのアーサーアンダーセンに就職しました。そして、某企業の調達業務改革プロジェクトに携わった時に、宣伝費の削減を担当することになり、初めて広告という仕事をちゃんと見たんです。今思うと疲れていただけかもしれませんが(笑)、自分が仕掛けるアクションで実際に人やモノがリニアに動く刺激的な仕事に憧れて、入社3年目でアサツー ディ・ケイに転職しました。現場を勉強したくて営業を希望し、最初はラグジュアリーブランド担当のメディア営業に配属され、雑誌を中心にしながらメディアプランニングのイロハを学ばせてもらいました。その後、その部署でユニリーバのAXE上陸キャンペーンを担当することになったので、メディア営業以外もやりたいと、自ら手を上げて参加させてもらうことになりました」。
チャレンジングな企画が求められた同プロジェクトにはプロフェッショナルなチームが集められ、クリエイティブはBBH、Webはバスキュール、PRはサニーサイドアップ、それ以外のプロモーションはアサツー ディ・ケイという座組みで、必然的にプロモーションの担当営業として、クリエイティブ、Web、PRと上手く連携しながらの制作進行が要求された。そして、その仕事をきっかけに、プロモーションプランナーに転身した …