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人と人との距離の近さを改めて感じてもらいたい

画面いっぱいに広がるのは、ある人の口の中。その向こうには、微笑むきれいな女性がいる。クロレッツ ミントタブを食べてすっきりした息になっているからこんなに近くでコミュニ―ションしても大丈夫!そんなメッセージをビジュアルにしてくれたのは、古谷萌さんです。

今回制作したビジュアル。

対面でのコミュニケーションを助けてくれるツール

「すっきり」をテーマに、クロレッツのミントタブを訴求する──オリエンを受けたとき、他の案も考えつつ、最近自分が気になっていたことをビジュアルにしてみようかなと思いました。

メールはもちろん、FacebookやLINEなど、さまざまなSNSの登場で、仕事においても直接人に会う機会が減ってきています。もちろんチャットで話ができて、そこで決定できれば話は早いし便利なのですが、人に会わずにことを済ませる感じがあまりにも蔓延しすぎている気がして。人に会って直接話をすることって、改めて大切だなと考えていました。そのときに相手への気遣いとして、また「10分前のエチケット」としてコミュニケーションを助けてくれるのが、このミントタブではないか。それがこのビジュアルの発想の原点にあります。

SNS上で話をする機会が増えても、僕らには実際に身体がある。朝から長時間働き続ければ、当然のことながら身だしなみは乱れるし、時には口臭や体臭も発するかもしれない。人と会ってコミュニケーションするとき、自分が声を発するたびに、自分の息や唾液は至近距離で相手と共有されてしまう──。人と人が常に近い距離にあることを改めて感じてもらえるようなビジュアルとして、自分の口の中から外を見た光景を考えました。

特に夕方、このビジュアルを見ると、ドキッとする人がいると思うんです。自分も朝から打ち合わせが続いて歯が磨けないまま人と会い続けていると、だんだん気になってきます。今回、実際に東京メトロの各線に掲出されることが決まっていたので、人の目に留まる、威力の強いビジュアルをつくろうと思いました。電車に乗るたび、交通広告がどんどん消極的な表現になり、新鮮さや刺激がなくなっていくのを感じているので、眠たい車内に目が覚めるようなノイズを入れたい、そんな気持ちもありました。

違和感を解消した写真の撮り方

写真制作についてお話しすると、このビジュアルの中で実際に撮影したのは、女性だけです。背景、口の中はありものの写真を使って合成しています。当初はセットをつくることも考えましたが、実際に撮影してもこのようにならないだろうと判断し、合成で進めることにしました。

まず書類上のオーディションで、歯並びがよくて、口の周りがよく見えるモデルさんを探しました。これがなかなか難しくて、全体的に美しい人でも口だけになると、見え方が違います。宣材写真だとわからないところもあるので、モデル事務所にお願いして最近の写真を撮ってもらい、検討した結果、口の周りがベストなモデルさんを選びました。

フォトグラファーは、髙梨遼平さん。光の当たり具合を、背景素材に合うように細かく調整していただきました。最初は真正面から撮影していたのですが、なかなかよい感じに撮れません。それで、モデルさんに仕草を付けてもらったり、顔を振ってもたったり、自然に会話をしてもらったり、と、さまざまなシチュエーションで撮影をしては口の中にあてはめて検証しました。

実は一度撮り終えたのですが、どこかすっきりしない。髙梨さんが「もう一度撮っていいですか」と言って、カメラの位置を15センチくらい高くしたんです。すると、これまでの違和感が一気に解消されました。少し上から撮影したことで、モデルさんの顔のパーツがとてもかわいく見えて、結果としてこのビジュアルにぴったりの写真を撮ることができました。髙梨さんが"男性の目線の高さ"に気づいてくれたおかげです。

口の中の歯の部分は、光の当たり具合を検証して逆光に設定していました。だから、最初のカンプでは歯の部分を真っ暗にしていたんです。でも、中に入る女性の顔とのバランスを考えて、歯の部分を明るくしました。それによって、一枚の写真として仕上がったと思います。コピーはできるだけシンプルに機能するものにしたいと思い、電通のコピーライター小野麻利江さんにカンプの段階からいくつも検証してもらいました。「未知との遭遇」にかけて、「息との遭遇に。」です。

今回、掲出場所はメトロの窓上の、少しカーブのあるスペース。普段、そこに出稿するときはそのカーブが気になるのですが、今回は口の中を立体的に表現できるので、それもビジュアルの見せ方に奏功したのではないかと思います。

古谷さんが手がけた仕事

「Milk. Black. Lemon. By GOGO NO KOCHA」

「藍の鰆」ポスター

「MARUCHAN QTTA」カレー味 パッケージ

「だいじょうぶせっけん」パッケージ

古谷萌(ふるや・もえ)
1984年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。電通を経て、2017年「Study and Design」設立。グラフィックデザインを中心に、商品開発、CI、VI、広告キャンペーン、パッケージデザイン、ブックデザイン、イラストレーション、キャラクター開発など、幅広い分野で活動。

髙梨遼平(たかなし・りょうへい)
1984年東京生まれ。多摩美術大学卒業後、広告写真の世界に入り活動を始める。

  • AD/古谷萌
  • D/五十嵐淳子、市川俊哉
  • C/小野麻利江
  • 撮影/髙梨遼平
  • HM/くどうあき
  • レタッチ/安藤瑠美
  • フォトPR/奥貫克郎、澤田敬人

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