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THE CREATOR あの人の頭の中

福部明浩さんが語る話題のCMの裏側

catch 福部明浩

いま世の中で話題になっているCMをつくっている人たちはどのように企画を考え、映像を作りあげているのか。第4回目は福部明浩さんにインタビューします。

(左)聞き手・足立茂樹(右)ゲスト・福部明浩

CM制作は数学の証明問題と同じ

足立:福部さんは京都大学工学部を卒業後、博報堂に入社し、コピーライターになったんですね。博報堂のクリエイティブでは珍しくないですか?

福部:僕は以前からCM制作は理系のほうが向いていると思っています。なぜなら、広告は数学の「証明問題」に似ているからです。僕自身に言いたいことがあるわけではなく、クライアントから出された「ビタミン炭酸MATCHが高校生のためにあることを証明せよ」という問題を解いている感覚ですね。

数学の証明は解答が短いほど美しく鮮やかであることが多いですが、広告のアイデアも同じ感覚です。図形問題などで、たった一本の補助線で解答がパッと見えるようなことがありますが、広告で言えば、この補助線に当たるのがコピーだと思います。

足立:先日、この誌面でTUGBOATの麻生哲朗さんに取材をさせていただいたのですが、そういえば麻生さんも理系です。お二人ともCM表現が最終的に商品に落ちる仕組みが綺麗に計算をされています。確かに理系的な論理思考を感じます。

福部:最近は1人で考えるのではなく、会話の中で考えていくことが多いです。完成したCMは一見簡単にできてるように見えるかもしれませんが、そこに至る道筋はいつも泥沼です。アートディレクターの榎本卓朗と、ああでもないこうでもないと言いながら手探りで進んでいる感じです。僕の場合、波長が合う誰かと話しているときに一番アイデアが出るので、話し相手がいることが重要で、打ち合わせ前には予想もしなかったアイデアが二人の会話から生まれる、というのが理想ですね。

足立:ADCグランプリを受賞したカロリーメイトのCMについて教えてください。

福部:最初のプレゼンで大塚製薬さんに4案ぐらい出したものの、全部違うと言われました。自信作だったのでショックで、その夜、榎本と二人で焼き肉を食べました(笑)。そこで当時ネットで話題になっていた「黒板アート」はどうか?と榎本が言い出し、「黒板アートが動き出したら驚くよね」と話し、試験会場で女の子が黒板を見ると、受験勉強の日々を走馬灯のように思い出す、というアイデアが生まれました。

足立:あのCMは大変な労力がかかっていますよね。制作時間はどのぐらいですか? …

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