私的に好き、でいいのかも。
オタク気質じゃないことが、コンプレックスです。何の疑いもなく好きな物をまっすぐに好きと言えて、熱く語れる人はかっこいいし羨ましい。かたや自分には趣味らしい趣味もなく、推しらしい推しも特にない。「いちばん好きな◯◯」みたいな質問に答えることにも苦痛を感じて生きてきたので、コピーを3つ選んでよい今回は、いくらか気持ちが楽でした。
サントリー/1996年
〇 C/小野田隆雄、川野康之
新潮社/1987年
〇 C/糸井重里
東日本旅客鉄道/1999年
〇 C/一倉宏
「できれば2000年以前の広告で、ご自身がそのコピーに触れた頃の随想を…」とご依頼いただいたのですが、これが面白いほどまったく思い浮かばない。「学生時代に街角で出会った1行が、僕の人生を変えたんスよ」とか「バイト先のBARの常連さんがコピーライターの○○さんで…」みたいな素敵なエピソードを書きたいのは山々なんですが、就職でその先の日本から上京してきた僕には、そんな気の利いたエクスペリエンスなど微塵もないわけです。
「名刺にコピーライターと書けば、誰でもコピーライターになれる」なんて話がありますが、僕はまさにその類で、社内転局試験に合格し、コピーライターと書かれた名刺を渡されて初めて「やばい、コピーって何?」となり、コピー学校に通い始めた「意識低い系」で言えば、かなりトップクラスのコピーライターだったと自負しています …