400年余りの歴史を持つ古典芸能、歌舞伎。その世界で唯一の製作・興行会社である松竹は、急拡大するインバウンド(訪日外国人)をターゲットに、新しいエンターテインメントを創出。伝統芸能とテクノロジーを組み合わせた、新たなコンテンツ戦略を展開している。

2015年、2016年のラスベガス公演では、歌舞伎とダイナミックなホログラム映像を組み合わせた、新しいエンターテインメントを創出した。
マーケットを広げていくために、松竹は今、伝統芸能とテクノロジーを組み合わせた「まったく新しい日本独自のエンターテインメント」の創出に力を注いでいる。細田光人副社長は、「日本には製品・技術の強みがあり、それを伝統芸能と融合させたコンテンツを国内外で展開しています」と語る。
他社とのコラボレーションも積極的に進めており、2015年、2016年には、パナソニックなどの協力を得て、ラスベガスで公演を行った。2015年8月、MGMリゾーツ・インターナショナルの「ベラージオの噴水」で特設舞台を設置し、噴水を吹き上げてつくり出したウォータースクリーンに、巨大な鯉のホログラムを出現させた。その舞台は、3日間5公演で10万人を動員。2016年5月には、噴水ショーだけでなく、名門MGMグランドホテル内で劇場公演を行った …