造船で栄えた大阪・北加賀屋が今、アートのまちへ生まれ変わりつつある。仕掛けたのは地元の不動産会社である千島土地。アーティストによる空き家再生など、ユニークな手法でまちに活気を取り戻している。
空き地を使った農園も開所
大阪市住之江区の北加賀屋は、基幹産業だった造船工場が昭和末期に相次いで移転し、人口減少が進むエリアだ。北加賀屋の約半分の土地を保有する千島土地は、空き家や空き地をアートで再活用しようと、2009年から「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想」をスタートした。
最初に取り組んだものが、アーティストによる空き家の再生。工場跡や住居などの建物をアーティストに低価格で賃貸し、物件の改装は自由、退去時の原状回復も不要とした。
「使い勝手が悪かったり、部屋が狭かったりと一般の方には賃貸しにくい古い建物ですが、若いアーティストは賃料を安く抑えたいという希望が強く、また自由に手を加えて自分の城をつくれることも魅力のようです」と、千島土地地域創生・社会貢献事業部の北村智子部長は話す …