気になるあのCMの演出やキャスティングについてディレクターにインタビュー。今月は、ダイバーシティをテーマにしたNTTドコモのCMについて、伊藤由美子さんに聞く。
白ホリの空間に集まった、色とりどりのTシャツを来た人たちが、一斉にTシャツを脱ぎ始める。Tシャツには「モデル」「アルバイト」「娘」「母親」など、さまざまな属性を表す言葉が書かれており、重なったTシャツを脱ぐたびに、その人が持つさまざまな属性が明らかになっていく。義足モデルのGIMICOさんやトランスジェンダーの澤岻良心さんの姿もある。CMの最後には、「世界は、ひとりの複数形でできている。」というタグラインが表れる。
このCMは、NTTドコモが展開するCSR広告シリーズ「For ONEs」の2017年版として制作されたもの。「元は女性だけが登場する企画だったのですが、男性まで広げた方が、世界の多様性の縮図を見せることになるのではないか考えました。嘘のないCMにしたかったので、人と言葉の組み合わせは、ほぼ本当です。出演者の方々には自分の人生をカメラの前に出す覚悟を持って出ていただいていますし、その覚悟を撮りたいと考えていました」とこのCMの演出を担当した伊藤由美子さんは言う …