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ミレニアルの心をつかむ方法

楓セビル

グーグルもアップル、サムスンと同じスマートフォン市場に参加。「Ask more of your phone」と題したCMで、ミレニアルのライフスタイルを紹介している。

「テレビCMを見て物を買った経験なんて思い出せないね。頭に残っているビルボード広告なんてあったのかなぁ。もう20年近くインターネットを使っているけど、バナー広告をクリックしたことなんて一度もない。家に送られてくるDMはそのままゴミ箱に直通。本当のところ、いわゆる広告と呼ばれるものは、僕の購買選択に全く何の影響も与えない。広告には完全に免疫になっていると言ってもいいだろうね」。

これは2017年1月に、ハフィントンポストに掲載されたブログである。書いたのは30歳になるミレニアル。このブログは、アメリカの消費者マーケットの王者となっているミレニアルと呼ばれる18才から35才までの8000万人の団塊の、広告やマーケティングに対する典型的な態度を示していると言えよう。彼らは伝統的な広告やマーケティングを信じない。

ある調査によると、広告から影響を受けると答えたのはたったの1%。残りのミレニアルは広告には懐疑的だ。彼らが、多かれ少なかれ、親のすねを齧っている大学生だった時はそれもあまり問題ではなかった。だが、2~3年前から彼らの多くは投票権や仕事を持つ社会人になっている。中には起業家として活躍している重要人物もいる。米国のマーケットは、いま、こうしたミレニアルたちにコントロールされていると言ってもいいだろう。

では、どのような方法で彼らにブランドを売り、将来ロイヤルティの高い顧客にしたらいいのか。その答えを見つけるために、さまざまなリサーチ会社や広告会社が、あらゆる角度からリサーチを行っている。そんなリサーチの中から浮かび上がって来たミレニアル消費者には、次のような特徴が見られる。

ミレニアル消費者、5つの特性

ミレニアルは、かつて米国のマーケットを牛耳っていた7800万の団塊ベビーブーマーや、彼らの親であるジェンXとは全く違う新しい消費者だ。その違いを作っているのはデジタル革命というディスラプションである。そのまっただ中、または直後に誕生している彼らは、米国史上最初の"ディジタル・ネイティブ"である。ミレニアルが前の2つの団塊とは全く違う消費者特性を持っているのは、このディスラプションと深い関係がある。

1. コミュニケーション・ツールはソーシャルメディア

Twitter、ブログ、Facebook、Snapchatなどを通して、彼らはブランドの情報を獲得し、交換している。詳細は後述するが、「ベスト・ブランド100」調査によると、ミレニアルたちは、いわゆる友人や家族、オンラインのインフルエンサー、レビューのような口コミや情報を、Facebookに現れる広告、テレビCM、YouTube広告などをひっくるめたものより、2.5倍強く信用しているという。

2. 伝統的な大企業が作り出す商品を信用しない

マーケティングの天才と言われるP&G、ユニリーバ、GMなどでさえ、彼らから信用されていない。とはいえ、例えばユニリーバのブランド「ダヴ」のキャンペーン(「Real Beauty」など)のように、彼らの信念、価値観に合ったものは素直に受け入れる。

3. 社会的正義(Social Justice)を信じる

ブランドを作り出している企業が、社会にどのような貢献をしているかに敏感である。ナイキはいまだに彼らが好むブランドではあるが、売り上げの一部を社会に還元しているTomsのファンが多いのはそのため。

4. ブランド離れを起こしている

ベビーブーマーのブランド好きは有名だが、ミレニアルは有名ブランドより、小さい会社や店が作っているプライベートラベルの方をより好む。

5. インタラクティブを求める

ブランドでも、イベントでも、一方通行は拒否する。双方一緒になって作り出すことを求める。彼らがVRやARを好むのはそのためだ …

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