「きのこの山の日」や「たけのこ急便」など、話題になるプロモーションを行ってきた「きのこの山」と「たけのこの里」。それぞれのブランドを好むファンの間では、お互いをライバル視する傾向がある。その派閥意識をもとに、昼ドラ仕立ての動画が制作された。
ブランドを生かした"昼ドラ"企画
明治はチョコ菓子ブランド「きのこの山」「たけのこの里」の大人向け商品である「大人のきのこの山」「大人のたけのこの里」のリニューアルに際して、バンパー広告で「大人のチョコスナック6秒劇場『きの子と竹彦』」の展開を9月25日よりスタートした。
このシリーズは、6秒で1話、全12話の昼ドラ仕立てのストーリーになっている。「きのこの山」派の主人公 木野山きの子と「たけのこの里」派である竹里家の竹彦との"甘い"はずの新婚生活に、昼ドラならではの"甘さひかえめ"な出来事が待ち受けるという内容だ。
制作を担当した読売広告社 アートディレクター/CMプランナーの戸川進之介さんは、「商品特徴である『甘さひかえめ』訴求をいかに印象づけられるか、というオリエンからスタートしました。普通にやるとスルーされるメッセージをどれだけインパクトをもって伝えられるかだけを考えました」と話す。
そこでメインターゲットである主婦層が気になる"昼ドラ"をもとに企画した。昼ドラの特徴である愛憎劇の「憎」の部分を「甘さひかえめ」と置き換え、メッセージをストーリーに乗せて違和感なく動画で発信できると考えたという。
ターゲット層の好む昼ドラならではの設定を研究し、「個性の強い一家と嫁の対立」や「謎の人間関係」など、あるあると感じられる場面を考えていった。「昼ドラには対立構造が欠かせません。今回は『きのこの山』と『たけのこの里』それぞれのファンが、元々お互いをライバル視している関係を生かそうと考えました」(戸川さん)。
視聴者の想像力をかきたて、6秒以上のストーリーを生み出す
各動画では、見た人が通常の6秒動画以上にストーリーを感じられることを意識して、登場人物の表情や衣装・舞台、人間関係などを細かく作り込んでいる。キャストには顔や声で感情をはっきり表現することができる演劇出身者を起用し、昼ドラらしい時代設定を再現するために千葉県の洋館を実際に借りて撮影を行っている。「6秒見ただけで、視聴者が想像を膨らませて入り込むことができるように細かく設定・演出していきました」と戸川さん ...