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デザインの見方

即興とロジカルのバランス

赤羽美和

松田行正『lines-線の事件簿』
(発行:牛若丸、発売:星雲社)

大学に通っていた頃、ライティングスペースデザインという授業で、「正方形を説明せよ」という課題が出ました。正方形の定義、4つの辺がすべて等しく、4つの角がすべて等しい、というものですが、それを説明しようと、私はいろいろな学生に声をかけて、あえてフリーハンドの、さまざまな正方形を集めたんです。最終的にそれらをデータ化し、ストップモーションアニメのように仕立ててプレゼンをしました。そんなときに、書店で偶然出会ったのが、"正方形の版型"の本『線の事件簿』でした。

足跡、航跡、光跡、飛後、筆跡など、この本には、形あるいは内容が似た軌跡図が見開きで左右に配置されています。そこに著者である松田行正さんが、その動きを象徴する言葉を添えていました。さらにそれぞれの線についての解説もあり、例えば「鳥が飛ぶ軌跡の線はプログラミングされている」といったことが書かれていたんです。自然の中にあるさまざまな線にもなるべくしてなった理由やその背景にストーリーがあることに気づかされました ...

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綿密なフォーマットから生まれる チャーミングなデザイン
その『場』だからこそ生まれるクリエイティブ
人をうれしくさせる軽やかさ
後からジワジワと効いてくる中毒性のある映像
木彫りの熊から掘り起こされた新しいデザインの芽

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