社会文脈×企業文脈で話題を広げるプランニング
SNSで話題を広げたり、メディアに自発的に書いてもらうためには、時事性、ニュース性などを持たせて社会文脈に乗せることが大事だと言われる。表現が斬新なだけでは思った以上に話題は広がらなくなっている。そんな時こそ、PR視点の出番。「いち企業の話題」よりも、「世の中の人が既に知っている話題」の文脈に乗っている方が、ユーザーが自然に話題に出しやすく、また共感も得られやすくなる。
上の図は、これまでブレーンで取り上げてきた事例を、改めてPR視点でマッピングしたものだ。本特集で取り上げたSeemやポーラのように「ジェンダー」や「働き方」といった、賛否両論分かれる世の中の大きな問題に声を上げることに挑んだ事例もあれば、「10分どん兵衛」のように、ネットの中の特定の話題にアプローチした例もある。また、文脈というよりも手法に近いが、記念日やメモリアルデーを企画に生かし、「◯◯の日の話題」として話題を広げるのも定番のやり方だ。
インパクトを狙った"拡散型"の広告も、話題化に成功した事例は、その企業が持つ文脈をうまく利用している。キンチョーの超難解折り紙は、「キンチョーは殺虫剤を作っている会社」という共通認識を、中日ドラゴンズのポスターは、前年リーグ最下位というニュースをうまく使い、強い表現と掛け合わせることで、「こうきたか!」と驚きを生み出している。
ここで挙げた文脈は、世の中にあるさまざまな関心事のほんの一部に過ぎない。企業やブランドに応じて、光を当てるべき文脈はまだ多数見つけられるはずだ。