タマホームは、20代の若者に家を建てようと呼びかける「20代のTamaHome」キャンペーンを行っている。CMで使われている「20代の家」のフレーズは、「コピーというより事業ドメインのネーミング」だとSIXの大八木翼さんは話す。その意図とは。


タマホーム「20代の家」テレビCM
新しい事業ドメインの提案から始まった
「家家家家(いえいえいえいえ)~♪」と「家」を連呼するオリジナルソングに合わせて、20代の夫婦や家族が家の前で「イェイ!」と元気よく飛び跳ねる。ナレーションは、「私たち、20代で家を建てました。タマホーム 20代の家(イェイ!)」。20代向けらしく、明るいノリのテレビCMだ。
このCMについて、SIXのクリエイティブディレクター 大八木翼さんは「そもそも、タマホームに"20代に家を売りましょう"と新しい事業ドメインを提案したことがスタートなんです」と話す。これまでも大八木さんは、タマホームのビジネス成長に必要な施策をその都度提案し、実行するスタイルで同社と仕事をしてきた。
「人口が減少して家を売ることが難しくなっている状況の中で、ローコストが売りのタマホームは、若者向けに事業を拡張するのが次の一手になるのではないかと提案しました。今は金利が低いので、賃料よりも安い月の支払いで家を購入することができます。若さを資産と考えて、『安い家』と言わずに家を売れないかと考えたんです。それに、タマホームは『ワンモア・ベイビー応援団』など、子育てをする若い人を応援する活動もこれまでしているので、若い人を応援する会社に見えた方がいいと思ったんです」と話す。
"応援"を具体的な形にするために、大八木さんは若者向けのプロダクトをつくり、流通に乗せることを考えた。そこで、20代の若者でも1千万円で家を建てられるという特別なマイホームプランをタマホームに提案した。
「ターゲットは地方の若い夫婦に絞り込みました。実際に調査してみたところ、地方では父親が所有している土地に息子夫婦が家を建てるケースが多いことがわかりました。東京では土地は何千万円もするので、20代が家を建てるのは難しいのですが、地方であれば可能性があります。また、家を建てたいと思っている若い夫婦は26%いるのに対して、実際に建てているのは11%でした。だから、15%を動かすことができればいいと考えました」。
CMでムードをつくり Webの情報で背中を押す
CMの企画を担当した夢の稗田 CMプランナー/コピーライターの稗田倫広さんは、「企画するにあたって、20代でタマホームで家を建てた人たちに話を聞いてみたんです。みんなうきうきしていて、喜びにあふれていて、まずそれがいいなと。それに、ローコストの家というと画一的で選択肢がないイメージがありますが、実際にはさまざまなタイプの家がありました。20代で建てられる家は、こんなにバリエーションがあるんだと。だからCMでも、実際に購入した人たちが喜んでいる姿を家と一緒に描いて、自分と同じような気づきを得てもらうのが正しいと思いました」と話す ...