話題性を狙った広告展開を続ける日清食品が仕掛けた今回のキャンペーンは、ただただ新具材の登場を知らせるためのもの。そこにはユーザーを主体に盛り上がりを生む構造が組まれていた。
ユーザー発信の盛り上がりに着目
日清食品は今年、チリトマトヌードルの発売35周年を記念して新しい具材を開発した。その名も「白い謎肉」。白いサイコロ状の肉(鶏ベースの味付ミンチ)に付けられたこの名前は、そのキャッチーさで数多くのメディアに取り上げられ、Webサイトやプロモーション動画と共に話題となった。
そもそも「謎肉」という名前は、2005年頃からユーザーの間で使われていた名称。「カップヌードルに入っている正体がわからない具材」として、味付豚ミンチをこう呼び始めた。その流れに"加わる"形で日清食品はSNSなどで「謎肉」というワードを使用し始め、2016年にカップヌードルの誕生45周年記念商品「カップヌードルビッグ"謎肉祭"肉盛りペッパーしょうゆ」で正式な商品名に採用した。そして今回、チリトマトヌードルの新具材を「白い謎肉」と名付け、この具材を中心に据えたキャンペーンを展開したのだ。
その狙いについて日清食品ホールディングス 宣伝部 岡崎俊英さんは「ユーザー同士の盛り上がりの中に企業が加わって、一緒になって楽しむことができる企画になればと考え、キャンペーンを計画しました」と話す。「白い謎肉」を中心にしたキャンペーンを企画してほしいとオリエンを受けた電通では、この話題性のある名前をどうすれば最大限の盛り上がりにつなげられるか、考えていったという。
「ユーザーが作って盛り上がっている名前がベースになっているので、まず大事にしたのはその雰囲気を崩さないことです」と電通 コミュニケーションプランナーの加我俊介さんは話す ...