「レレレ・レモンサワー」や「ワインフロート」と聞いて、どんな味を思い浮かべるだろうか?アサヒビールでは居酒屋などの飲食店に向け、自社商品を使ったオリジナルカクテルレシピを開発し、飲み方提案を行ってきた。近年では、そのネーミングにも力を入れている。

飲食の場にふさわしい「楽しさ」を名前で表現
「オリジナルレシピによる飲食店への個別の飲み方提案は以前から行っていましたが、ネーミングやロゴを用意し展開するようになったのはここ2~3年です」とアサヒビール 営業本部 業務用統括本部 フードサービスサポート室 西門紀昌さんは話す。
その背景には、消費者のニーズと飲食店の業態の双方が多様化している状況がある。メーカーから飲食店への提案に期待されることは変わりつつあるという。「飲食店に来たお客さまが、より楽しんでいただけるようなシーンの提案が求められるようになりました。飲食店向けには、各業態ごとに貢献できる提案は何かを、売上、利益、オペレーションなどの視点から考え、よりキメの細かい飲み方提案を目指しています」。
一方、飲食店は消費者との重要な接点でもある。「その意味でSNSなどでの情報の広がり方、スピードは注目すべきところです。ビール以外にもバラエティに富んだ品揃えが必要になっていますから、ネーミングを含め、お客さま(消費者)に認識していただきやすく、関心を持っていただけるような見せ方が大事と考えています」。
飲食店にあるたくさんのドリンクメニューのなかから選んでもらうためには、味は当然ながら、見た目とネーミングが重要となる。「飲食の席でお客さまが求める楽しさ、認識いただきやすくするためのわかりやすさをインパクトをもって表現しようとしています」と言う。
具体的には、お客さまを飽きさせないような、「面白そうな、目を引く」「思わず写真を撮りたくなる」「季節感のある」ドリンクづくりがポイントになるという。また、各ドリンクの世界観を視覚でも認知できるよう、目に留まるキービジュアルも用意し、差し込みメニューなどで活用できるようにしている。
新メニューの着想は、飲食現場から生まれることが多いという。「現場でどのようにドリンクが提供され、どのように楽しまれているか、メンバー全員が夜な夜な確認しています」。各ブランドの世界観に合致している必要も同時にあるため、各商品のブランドマネジャーと連携しながらメニュー開発しているという ...