クリエイターや企業の優れたアイデアを表彰する「アワード」の開催が、日本企業でブームだ。これを主催側企業のオープンイノベーションに繋げるには、どのような設計が必要なのだろうか。

オープンイノベーションの手法としてアワードの人気が高まっている。
写真はYouFab Global Creative Awardsの模様。
アワードの3つの効果
アワードには一般的に、3つの期待される効果がある。1つ目は「価値の発見」で、新しいアイデアや才能と出会えること。2つ目は「価値の検証」。製品や技術の仮説検証や、用途開発に活用できる。そして3つ目は「価値の発信」であり、製品や技術のブブランディングやプロモーションの機能だ。「アワードの目的やテーマをしっかりと定義することが肝心です」と話すのは、楽器メーカーのヤマハで新規事業開発を担当する畑紀行さん。同社はロフトワークと連携し、アワードを通じたオープンイノベーションに取り組んできた。
テーマとゴールの定義が肝心
2016年に実施したのが、「YouFab Global Creative Awards」(主催:FabCafe Global)での特別賞「ヤマハ賞」の設置だ ...