今回から2号連続でお届けするBOVA スピンアウト企画。ブレーン主催のオンライン動画コンテスト「BOVA」の応募作品から、協賛企業であるヤマサが独自に選出した作品のクリエイターとコラボレーションし、ヤマサ「鮮度の一滴」の「ピタッと弁」をテーマに動画を制作した。ここではフラッグ 野村律子さんの企画制作の背景をレポートします。


「止まること」を動画で表現する
2つ並んだしょうゆさしを傾けると現れる一筋の線。その動きと線が、「おじぎをする際の背中の傾き」「筆で線を引く」など日本文化の所作と結びつき、ひとつながりに動いていく。注ぎ終わり、2つのしょうゆさしを置くと、普通のしょうゆさしからはしょうゆが一滴垂れてしまうが、ヤマサ「鮮度の一滴」ではピタッと止まり垂れることがない。この動画は美しい日本の映像としょうゆを注ぐ動きを連動させながら、鮮度の一滴のパッケージに加わった新機能「ピタッと弁」を訴求する内容になっている。
制作したのはデジタルマーケティングやコンテンツ制作を行うフラッグの野村律子さん。普段は番組内で使用される映像や企業のプロモーション動画の制作を担当している。今回の企画について野村さんは「訴求するポイントは『ピタッと止まること』。ただ、それを映像で表現することが難しく、実際に商品を使用する中でたどりついたのが、『垂れない』を表現することでした」と話す。そこで映像の中で、普通のしょうゆさしと鮮度の一滴が対比する構造にすることで「垂れない=止まる」を表したという。
今回の作品は、映像を見て使ってみたくさせることをゴールに、野村さんが得意とする実写で制作を進めた。「実際に"止まる"場面を撮影してみると地味な印象でした。ただ、商品を使ってみて感触が楽しいと感じたので、水鉄砲で遊んでいるような気持ちよさをきれいな映像で伝えることを念頭に置きました」と野村さんは話す ...