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感じるブックジャケット(PR)

和と洋の中間の表情を持つブックジャケット

い織り × 鎌田順也氏

電子書籍では得られない紙の本の魅力のひとつが、手触りや質感だ。ブックジャケットをつけられるのも本ならではの楽しさ。このコーナーではさまざまな質感を持つ竹尾のファインペーパーを使用し、そこに多彩な印刷加工技術を掛けあわせることで、触って感じる新しいブックジャケットを提案していく。

赤と銀のステッチのような"洋"のパターンがまず視線を捉え、そのディテールに目を凝らすと、やがて紙地の持つ"和"の表情が見えてくる。今回アートディレクターの鎌田順也さんがデザインしてくれたのは、「和洋」と名づけられたブックジャケットだ。

「新しく開発されたばかりの紙ということで、この企画ならではの紙見本にもなることを意識して作りました。和の表情を持つ紙ですが、和と洋の中間の見本として機能させられたらと考えました。また、銀のパターンの部分に箔押しを施すことで、手に取った時の触覚の情報量を増やし、このカバーへの愛着を深めてもらうことを意図しています」。

今回のブックジャケットには、「い織り」の27色のカラーバリエーションから4色をセレクトして使用している。

「色のバリエーションがこの紙の大きな魅力のひとつです。それを引き立てるためグラフィックには赤を用い、紙は『あさぎ』を差し色に、『プラチナホワイト』『ライトグレー』『スモークホワイト』の4色を選びました。本当に使いたいと思われるブックジャケットにしたかったので、本を巻いたときのたたずまいや、本棚に入れて心地よい色であることも選ぶ時のポイントにしました」。カバーの表4側には27色の色名を記載し、ブックカバーでありながら紙見本としての機能も持たせている。

今回の印刷加工は、紙のテクスチャーの上に、細い箔をステッチのように乗せている。「ハードルの高いお願いをしてしまいましたが、仕上がりには感動しました」と鎌田さん。「箔を使うと言ってもギラギラした派手なものにも、逆に渋い地味なものにもしたくなかった。仕上がりのイメージをきちっと理解していただいたおかげで、妥協することなく思い描いていた案が実現できました」。

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    今月使った紙:い織り

    日本古来の庵(いおり)の壁のような自然の素材を感じさせるテクスチャー。エンボスによる有機的な線の織り重なりと、厳選された色の組み合わせが、新しい和のイメージをつくります。2017年7月発売のT-EOS(ティオス)シリーズの新製品です。

鎌田順也(かまだ・じゅんや)
1976年北海道生まれ。KD主宰。道内外の企業にアートディレクターとして携わる。ONE SHOW 金賞、D&AD 金賞、JAGDA新人賞、日本パッケージデザイン大賞 金賞、日本サインデザイン賞 最優秀賞ほか多数。9月7日から10月10日まで、グランビスタギャラリー サッポロにて個展「鎌田順也のデザイン」を開催。http://www.kamadajunya.com

編集協力/竹尾

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