編集部が街で気になった様々なデザイン
BOOK
伊東豊雄『冒険する建築』
(左右社)
- 装幀/松田行正、杉本聖士
伊東豊雄さんの作品をまとめた『冒険する建築』は、カバーをはずすと糸綴の背がそのまま見えるコデックス装。鮮やかなピンクの表紙を開くと、実はこれがポスターを四つ折りしたものの一部であることに気づく。このユニークな仕掛けの本をデザインしたのは、ブックデザイナー松田行正さんだ。「作品やスケッチなどの束をいただいたとき、伊東さんの作品はよく知られていることもあり、既視感がありました。これをそのまま本にするのではなく、もっと伊東さんの発想が見えてくるものにしたいと思いました」。
松田さんは委ねられた作品とコメントを独自に編集。各作品にキャッチフレーズをつけ、タイポグラフィーで遊びを入れながら、全ページのレイアウトを組んでいった。台湾の展覧会場で図録代わりに販売することが決まっていたため、B6より少し小さいサイズにしている。「建設途中のいい写真があったのですが、本が小さいため中面で使っても面白さが出ない」と思い、その写真を厚手の紙でポスターにし、それを表1と表4に使った。
細かく手を入れた結果、建築作品集でありながらユニークで、存在感のある本に仕上がった。
PACKAGE
『ニッカ カフェジン』『ニッカ カフェウオッカ』
(アサヒビール)
- AD+D/吉永三恵
『ニッカ カフェジン』『ニッカ カフェウオッカ』は、1830年代に発明された希少な連続式蒸溜機「カフェスチル」でつくられたプレミアムジンとウオッカ。欧州で先行発売され、人気が高い『ニッカ カフェグレーン』『ニッカ カフェモルト』に続くカフェシリーズの商品だ。
描き文字など和の要素を打ち出すことが多いウイスキーには珍しく、カフェシリーズのラベルはシンプルでモダンなデザイン。それぞれの味や香りをラベルの色で表現し、そこに狛犬と兜から成るニッカウイスキーのエンブレムが添えられている。新商品も、そのデザインの考え方を踏襲。
ジンはさまざまな植物由来の香りが特徴であることから緑色のラベルに、ウオッカは水のイメージから水色のラベルを採用している。また、それぞれの世界観を表現すべく、バックラベルの内側に、主原料である大麦や植物のイラストを入れており、透明なお酒を通して前面からも見える仕様になっている。
主にバーやカフェなど店舗で展開されているカフェシリーズ。このシンプルなデザインが、さまざまなお酒のボトルが並ぶお店の中で、目立つ存在になっているという。
CD
『コイズミクロニクル~コンプリートシングルベスト1982~2017~』
(ビクターエンタテインメント)
- AD/千原徹也
- PR/木谷徹
- I/れもんらいふ、エドツワキ、たなかみさき
- D/小嶋美加
- 執筆/松永良平
- 監修・編集/伊藤総研
- 編集/宮原未来、渡辺克己
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