赤瀬川原平のパロディーとユーモア
これまでデザインに関して、たくさんの人やものから影響を受けてきました。その中でもデザインに対する態度で最も影響を受け、今もたびたび思い出すものがあります。それは、前衛芸術家の赤瀬川原平が1970年代に週刊誌『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で連載していた『櫻画報』です。
デザインの見方
「面白い映像がある」と、大学生のときに先輩から見せてもらったのが、ケミカル・ブラザーズ「Star Guitar」でした。ひたすら電車の窓からの風景が映っているだけのMV。一度見ただけでは、何が面白いのか全くわかりませんでした。もう一度再生して、なにか仕掛けがあるはずと注意して見ていたら、音楽と風景が完全にシンクロしていることに気づき、衝撃を受けた記憶があります。
ディレクションしたミシェル・ゴンドリーによるメイキング映像を見ると、オレンジやビデオテープ、靴、コップ…など、身近なもので、車窓と同じようにモノが音とシンクロするように画面に現れては見切れて、また現れては…という構造のビデオコンテを作り、シミュレートしていました ...