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写真家 植本一子さんが選んだ4冊の本

クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は『家族最後の日』が話題を集めた写真家 植本一子さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『アウフォト』

(新潮社)

写真を本格的に始めたのは高校に入学してからだった。幽霊部員しかいなかった写真部を一年から立て直し部長に。放課後は図書館や本屋で写真集をいつまでも眺める毎日。あれほど写真集を熱心に見つめ、写真について勉強したのは最初で最後だろう。そんな中、本屋で平積みされているのを見つけた「アウフォト」という雑誌。ピンボケの写真の表紙に惹かれめくってみると、それは女子高生による投稿写真雑誌だった。

これこそが自分の探していたもの、と電撃に打たれたような衝撃があった。写真雑誌だからといって、カメラ雑誌の様ないわゆる上手な写真が載っているわけではない。大事なことはそこではないのだ。使い捨てカメラで撮られたその時の彼女たちにしか写せないもの。時代は「女の子写真ブーム」の終焉だった。見つけたのは、最終号の一冊前。

私は熱に当てられたように、これまで撮った写真を急いで編集部に送った。自分の写真が載ったページを最終号に見つけた時の興奮は未だに忘れられない。写真を始めた早い時期にそんな小さな成功体験があったからこそ、次に進む力をつけたのかもしれない。田舎に生きる私にとって、求めている写真のすべてが詰まっているような雑誌だった ...

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