IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

新しい広告主企業の新しい広告の使い方

造園業から小売業へ 一から立ち上げた新ブランド

HITOHACHI

「My First Plant」をコンセプトにオープンした観葉植物小売店「HITOHACHI」。造園業を営む中山大輔さんが、エイトブランディングデザインの西澤明洋さんのサポートを得ながら、一から立ち上げた新事業だ。

クイーンズスクエア[アット!]店。オリジナルの什器は、建築事務所 KAMITOPENの吉田昌弘さんによる設計。

ユニクロやJINSのように観葉植物を買えるようにしたい

昨年11月、クイーンズスクエア[アット!]に観葉植物店「HITOHACHI(ヒトハチ)」がオープンした。「わかりやすく選びやすい」をモットーに、サイズ別に分類された中から好きな植物と鉢の組み合わせを選ぶと、その場で植え替えして渡してくれる。気軽に購入でき、グリーンのある生活をはじめることができると人気だ。

HITOHACHIの事業を立ち上げたのは、造園業を営む中山大輔さん。中山さんは著明な庭園デザイナーである石原和幸さんに師事した後2011年に独立、自身の造園会社「en 景観設計」を創業した。住宅の造園をメインに5年間続けながら、いつか小売業がしたいと思っていたという。事業のヒントは造園のお客さんからの相談にあった。

「庭の植栽をした際に室内のグリーンもコーディネートしてほしいと言われることが多かったんです」。「自分で観葉植物店に行ってみたが選び方がわからなかった」というお客さんの声を受け、観葉植物売り場を回ってみると、専門店のハイセンスなディスプレイは初心者にはハードルが高く、インテリアショップには専門スタッフがいない。ホームセンターは大量に安く売られているが多すぎてわからないなど、選びやすく買いやすい店がなかったと気がついた。

ユニクロやJINSのように、商品がわかりやすく、自由に比較して購入できる店がグリーンでも作れないだろうか――そう考えるようになった中山さんは、元々仕事でつき合いのあったエイトブランディングデザイン代表の西澤明洋さんに相談を持ちかけた。

「話を聞いて、面白い!と思いました。植物という商品は知識や管理技術など、専門性が必要で参入障壁が高い。他社が簡単には追随できない。そういう意味で"専門性のあるニュータイプの小売り"は可能性がある。そう思い、事業計画とブランディングのお手伝いをさせてもらうことにしました」。こうして中山さんと西澤さんは協力し、実現に向け動き出した。

二子玉川での催事出店時の様子。

植物と鉢のサイズを3種類に限定

具体的な事業を考えるにあたり、中山さんはまずターゲットを初心者に絞った。「初心者が心配するのは、植物を育てられるか、枯らしてしまわないかということ。植物は難しいと思っている人でもわかりやすく、選びやすいという点を軸にして考えていきました」。

初心者向けということから、扱う植物は室内の観葉植物に限定し、サイズも店舗から持ち帰れる範囲でSMLの3サイズに絞り込んだ。さまざまなデザインの鉢を同様にSMLの3種に分類して用意し、「植物と鉢を自由に組み合わせて買ってもらう」売り方に特化した ...

あと59%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

新しい広告主企業の新しい広告の使い方 の記事一覧

「ひとつ上の品質」伝えるブランドリニューアル
造園業から小売業へ 一から立ち上げた新ブランド(この記事です)
スタートアップの本当のパートナーになるには?
あえて賛否両論を取りにいった初のテレビCM
テレビCMの力で小売の店頭を動かしていく
「同棲」を切り口に若者に向けて展開したPRキャンペーン
60年の歴史持つガス会社の鮮烈な広告デビュー
ロゴとタグラインに見るスタートアップのサービス思想
求めていたのはサービスの開発思想を伝えるCM
話題性のある長尺ムービーでブランドを一気に立ち上げ
テレビCM活用し急成長を遂げたメルカリの広告戦略
ブレーンTopへ戻る