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ユニークなネーミングとデザインで新たな価値を持ち始めた「根付」

大阪芸術大学

大阪芸術大学の客員教授でもある高円宮妃久子殿下の発案のもと創設された「高円宮殿下記念根付コンペティション」が昨年度で8回目を迎えた。ここから新世代の根付作家も誕生している。

第8回高円宮賞 井上喬文「よいよい」

高円宮殿下記念根付コンペティション

江戸時代に煙草入れや印籠、巾着袋などを帯からひもで吊るして持ち歩く際に留め具として用いた装身具「根付」。留め具として、江戸時代に武士を中心に庶民に使われていた。贅沢は身を滅ぼすという「奢侈禁止令」の中、庶民にとって目立たない、粋なおしゃれアイテムであったという。そのデザインには遊び心があふれ、洒落を効かせたユニークなネーミングのものが多く残されている。精緻な彫刻が施された根付は、実用的でありながら、芸術的な価値が高い美術品として海外で認められて、美術館にも収蔵されている。

そんな根付の芸術的な価値を評価するコンペティションが、大阪芸術大学グループで行われている。今年度8回目を迎えた「高円宮殿下記念根付コンペティション」である。世界有数の根付コレクターであり、現代の根付作家の育成に力を注いでこられた高円宮憲仁親王殿下、同妃久子殿下の名を冠した同コンペティションは、大阪芸術大学客員教授に就任なさった久子殿下のご発案のもと、2009年に創設。以来、グループ校の在学生を対象に、根付作品を募ってきた。

今年度はグループ校から140名の作品応募があり、審査の結果、全19作品が入賞となった。

高円宮賞に選ばれたのは、大阪芸術大学通信教育部井上喬文さんの「よいよい」。この作品は、「良い、酔い、宵」という3つの言葉と蛙を掛け合わせたもの。表を使った時は月に蛙のいる景色で「宵」を、そして裏を使ったときは、それが盃になり「酔い」を供するという、洒落が効いた作品だ。

その他にも、動物をキャラクター化したものやバネを使って動く機械仕掛けのものなど、学生ならではのポップで、ユニークな発想から生まれた根付が、昨年12月に大阪芸術大学スカイキャンパスの「第8回高円宮殿下記念根付コンペティション記念展」でお披露目された。本展では学生の作品158点の他、高円宮家より150点、久子殿下が撮影された「旅する根付」の写真パネル24点も展示された。

客員教授である久子殿下が大阪芸術大学グループ各校にて行われるご講義では、根付を通した日本文化の継承のみならず、ネーミングの重要性も説かれている。そのことがしっかりと学生たちの作品にも浸透し、根付に対する理解が進んできたため、久子殿下は「根付らしい作品でありながら、発想や素材、技法に工夫がある」と評価されている。

また、第4回高円宮賞を受賞した道浦正人さんは、「道甫」の銘で、現在は根付作家として活躍。その作品は、高円宮コレクションにも納められている。「根付」という道具を通して、学生たちは日本文化とその継承について学ぶだけではなく、そこから新たなクリエイションを生み出す機会となっている。そして、根付という文化も伝統を守りながら、この試みを通じて新たな形へと進化を遂げ始めている。

同学長賞 川田奈央「飛陽」

同特別賞 吉田昇平「キッカイネツケ」

同優秀賞 小幡すみれ「Fantasy」

同優秀賞 松尾勇祐「光と闇と」

同優秀賞 仲井彩美「狐の嫁入り」

第7回高円宮賞 吉井佐穂「眠り姫」

第4回高円宮賞 道浦正人「キミしか見えない」

第7回学長賞 三浦由起子「新鮮をお届け」

第8回高円宮殿下記念根付コンペティション記念展の展示風景

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