JWTのトレンド予測専門チームが毎年発表している『THE FUTURE 100』。その最新レポートより、デジタルやテクノロジーに関するグローバルトレンドを抜粋して紹介する。
FUTURE #01
「体験テクノロジスト」が新時代のロックスターになる
生活者がモノよりも体験に向かう中で、企業はテクノロジー主導の体験が重要なコミュニケーションであると実感し始めた。今ではさまざな企業が、体験を多彩なテクノロジーで演出する「体験テクノロジスト」を雇い、忘れられないデジタルトリップへと人々を連れ出そうとしている。イベントにおいて企業は単純なスポンサーであることをやめ、自ら体験のファシリテーターとしての振るまいを始めている。また、それに伴い、体験テクノロジストたちの需要が今後高まり、これまでのロックスターのような存在として認識されていきそうだ。
FUTURE #02
拡張現実(AR)の実用性が進化する
英BBCでは、2016年を「仮想現実(VR)が現実に変わる年」としていた。だが実際には、現実世界の可能性を広げる拡張現実(AR)の方が普及した。位置情報を使ったAR技術は2010年頃には既にあったものの、昨年巻き起こった「ポケモンGO」の大ブームを受けて急速に一般化が進んだ。
そうした中で、現在AppleはAR活用推進に力を入れており、最新iPhone7では、ARアプリケーションへの対応能力を向上させている。そもそもARとは本質的には、あくまで現実世界の拡張であり、生活者が実感し、利用しやすいテクノロジーである。実際に普及した事例ができた今、企業によるさらに大規模な活用など期待が広がっている。
FUTURE #03
シリコンバレーが業種の境界を溶解する
シリコンバレーで先端をいくテクノロジー企業が、成長戦略やイノベーションに取り組む際、本来の専門領域を超えて利益の見込める市場に進出する傾向が強くなっている。例えば、フード・デリバリーサービス業界では、昨年Facebookがビジネス・ページから出前の注文ができるサービスを開始したり、Uberがデリバリーサービスの会社を立ち上げたりと境界が見えづらくなっている。しかし、生活者側ではそうした市場環境の変化に次第に慣れ、企業側で各々のポジショニングを調整する必要が生じている。
FUTURE #04
仮想現実(VR)のソーシャル体験化
現在のVR体験は個人がヘッドセットをつけて、仮想空間を楽しむものが主で ...