ピノを口に入れた瞬間の幸福感をピノが主人公になって表現。誰もが体験したことのある、初恋が成就する「プチハッピー」の瞬間を"ALLサビ"な6秒動画を拡張させて制作した。
瞬間でピノを思い出させる
ピノとピノが出会い、恋に落ち、成就する。そんな恋愛の気持ちの高まりを、アニメーションを用いて、ポップな背景と人工的な音声で表現したのは広告会社のサイバーエージェントだ。コンセプトは「ひとりひとりのプチハッピー」。ピノを口に入れた瞬間の幸福感と、誰もが体験したことのある恋が成就する喜びを結びつけ、見た瞬間に伝わるようなALLサビな6秒間の動画を5種の世界観で表現した。
「ターゲットとなる"ピノ離れ"している10代後半から20代前半が一番接するのはスマホです。SNSに流れてきた広告を見る時間はわずか2~6秒。その短時間でピノだと伝わるよう、あえて動画にはストーリー性を持たせず、セリフや説明がなくてもわかるようなものにしました」と同社インターネット広告事業本部 有賀翔平さんは話す。
動画では、ピノの表情は顔文字的にし、5種類とも動きは同じ。そこに、ポップアートを基調とした背景を組み合わせた。背景には人の顔や学校の教室、街角、彫刻など、さまざまなものが登場し、2秒弱で次々と切り変わっていく。5種類とも、別のアーティストが制作し、異なる雰囲気のものに仕上げた。
「ピノの動きをフォーマット化することにより、動画に汎用性を持たせ、コストメリットと多種類クリエイティブ制作を両立できるようにしました。マルチターゲット・マルチメッセージを前提に、ネットでの広告配信特性を見越したプラットフォームファーストでのクリエイティブ開発にチャレンジしました」と同社 中橋敦さん。
「ピノは誰もが食べたことがあり、認知度は高い。しかし、買ってもらうことから離れ、自分で購入することに至っていないのが課題でした。そこで、見ることによってピノを思い出してもらうことが目的。そして、再びの購入に繋がればと思います」と同社 新美宏樹さんは話す。
音声はバブルガム・ベースという近未来的なダンスミュージックを使用し、動画の一定のテンションを演出している。ロングセラーブランドであるピノに、新しい風を吹き込んだ作品となっている。


スマートフォンで上の画像が動きだす!
無料アプリ「aug!オーグ」をスマートフォンにダウンロードして、上のキービジュアルにかざすと、今回制作されたCMが再生されます。(iOS6以上を搭載した、iPhone、iPad。およびAndroid4.0以上を搭載したAndroidに対応)。
- 企画制作/サイバーエージェント+/C,LLC.
- CD+企画/中橋敦、有賀翔平
- AD+企画/新美宏樹
- 企画/高橋正教
- デジタルイラストレーション/志氣慶二郎、我喜屋位瑳務、吉田秀人

出光_Papercraft Movie「The History of IDEMITSU」

夢見るガラスの靴プロジェクト「Dreaming Glass Shoe」

リアルいいね!活用写真展「ICONIQ UNKNOWN」

中橋敦(なかはし・あつし)(左)
アパレル、サービス、自動車、飲料業界などのデジタル・クリエイティブ領域を担当。デジタルハリウッド大学・大学院非常勤講師。
有賀翔平(あるが・しょうへい)(中)
2014年入社。飲料、サービス、ファーストフード、映画業界のデジタル・クリエイティブを担当。受賞歴に、読売広告大賞、PRアワードなど。
新美宏樹(にいみ・ひろき)(右)
グラフィック、CM企画、デジタルなど領域にとらわれないディレクションを経験。2016年読売広告賞など受賞多数。
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