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ARTS卒業制作レポート

地元の課題を解決するアートディレクション

日本で唯一のアートディレクションを教える学校、宣伝会議アートディレクター養成講座(ARTS)。今回17期を迎えた本講座では、半年以上にわたり講義が行われ、最終回で受講生は卒業制作に取り組んだ。「自分の出身地(都道府県/市町村)が抱えている課題をあなたのアートディレクションで解決してください」という課題に対して、宮田識さん(DRAFT)、植原亮輔さん(キギ)、柿木原政広さん(10)の指導のもと、受講生が地元取材をし、課題を見つけ、それを解決する作品を制作した。ここではその中から優秀作に選ばれた作品を紹介する。

宮田識さん(DRAFT)

植原亮輔さん(キギ)

柿木原政広さん(10)

宮田クラス 金賞
小園勝之(ハッテンボール)

企画意図

宮崎県には「一軒家の空き家増加率が高い」という課題があります。一方で、海のイメージが強い宮崎ですが、実は九州山地や霧島連山など内陸部の山々にも多くの魅力があります。そうした自然資源を生かして、「空き家」をポジティブなもの(絶景ホテル)に昇華できるのではないかと考えました。また「空き家問題」は全国的な問題でもあるので、他の地域でも流用できるようなフレーム(旗の色柄を地域由来のもので構成)で考えました。

ARTSを受けて

講師陣の講義は毎度刺激的で、示唆に富むものばかりでした。ARTSの仲間たちの熱量・輝きに圧倒されては自分を奮いたたせる、そんな半年でした。卒業制作では最後までやりきったことで、これから仕事をしていく上での姿勢のようなものが生まれたと思います。沢山の刺激をくれたARTSの仲間と、今回の制作に協力してくれた方々にも、この場を借りて感謝を伝えたいです。ありがとうございました。

植原クラス 金賞
堅田真衣(博報堂)

企画意図

時代と共に淘汰されつつある方言(金沢弁)をみんなに忘れないでいてもらうために、方言とお弁当を掛け合わせた「金沢弁」を作りました。雨が多い金沢には「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉があるのですが、ここではその言葉になぞらえて、傘もいいけど金沢弁(方言+弁当)も忘れないでね、という意味も込めています。お弁当と方言を学べるシートがセットになっており、駅弁や学校の給食として取り入れてもらうことで、楽しく方言を学ぶことができるといいなと思い、企画しました。

ARTSを受けて

毎週の講義では、毎回新しい発見があり、課題発表の後にはいつも「もっといいものが作りたい」「もっと頑張ろう」という気持ちにさせられました。ARTSで学んだことやこの気持ちを忘れずにこれからも頑張りたいと思います。半年間ありがとうございました!

柿木原クラス 金賞
小池佑子(たき工房)

企画意図

日本の「平均」とされ、県民が他県の人にオススメできるところを知らず、観光地としてもスルーされがち。そんな静岡県ですが、実は約300もの面白い「日本一」を持っています。そこで、プラモデルの生産日本一のTAMIYAが、「静岡県のつくりかた」を新幹線の各停車駅で販売し、成長するアプリゲームでさらに深く訴求するという仕組みを考えました。のんびり遊んでもらいながら県内外にファンを作れればと、楽しくほがらかなデザインを目指しました。
(撮影/片桐進太郎、CG/國井丈嗣)

ARTSを受けて

毎回、講師の方の「語り方」にとても興味が湧きました。普段どのように物事を考え、仲間と共有し、実現まで導いていくのか。それを一体どんな話し方で伝えているのか。自分は今後、それをどう仕事に生かせるのか、帰り道に反芻する日々でした。これは本のインタビュー記事を読んだり、仕上がったお仕事を見ただけでは体験できないものです ...

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