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あれから10年

10年目に感じる独立の本当の意味

森本千絵

昨年から今年にかけて、設立から10年目を迎えたデザインオフィスやクリエイティブエージェンシーが多く見られます。10年前に独立した人はどんな背景から、どんなことを考えて、自分の場所を築いたのか。そして、この10年の間にどんな変化があったのか。今回は、設立からの10年の間に結婚、出産を経験し、新たなスタートを切ったgoen°の森本千絵さんにお話をお伺いました。

goen° 森本千絵(もりもと・ちえ)
コミュニケーションディレクター・アートディレクター。武蔵野美術大学客員教授。1999年武蔵野美術大学卒業後、博報堂入社。2007年独立。「goen°(ゴエン)」を設立。企業広告はもとより、松任谷由実らミュージシャンのアートワーク、動物園のディレクションや保育園の内装などを手がける。最近の仕事に、Mr.Children「ヒカリノアトリエ」、miwa「SPRASH☆WORLD」、山田洋次監督演出「音楽劇 マリウス」、KIRIN「一番搾り 若葉香るホップ」など。
Photo:Kenichi Shimura/parade/amanagroup for BRAIN

設立当時の森本さん

10年目に感じる独立の本当の意味

――goen°設立時は、スタッフもデザイナーだけではありませんでした。

コンドルズと出会ったことが、goen°の在り方に大きく影響しました。コンドルズのメンバーは普段別々の仕事をしていて、ステージでコンドルズとして一緒に立つ。彼らのような集団の会社になるといいなと思っていました。それに挑戦したくて、設立当初は南風食堂の三原寛子やコンドルズの田中たつろう、それから芸能人のマネジメントをしていた私の父など、広告をやったことがない人たちと一緒にgoen°を始めました。

――この10年を振り返って、何が一番大変でしたか。

仕事以上に大変だったのが、会社の運営。独立から8年くらいは、常にお金と人事の問題に悩まされ続けました。特にスタッフが定着しなくて、これまでにたくさんのスタッフがgoen°を通過しました。自分で人を育てることの難しさを痛感しました。振り返ってみれば、博報堂在籍時に生意気だった私のいまがあるのは、周りの人たちが育ててくれたからこそ。自分なりにスタッフにいろいろと教えていたのですが …

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