2014年に創立50周年を迎えた21インコーポレーション「どんな動画もすぐに消費されていくいまだからこそ、時代の変化に柔軟に対応し『いいもの』を残していく」。同社では、そんなスローガンを掲げている。
内部で刺激しあい、質を共有する
1964年に「プロダクション21」として設立し、企画から演出、撮影、編集までワンストップの映像制作を手がけてきた同社。設立当初から大手クライアントのテレビCMを中心に制作してきた。東京本社には企画・演出部、第一制作部、第二制作部の3部署、そして大阪に支社があり、社員は全体で50名程が在籍している。
業務はプロジェクトごとにチームを組み、お互いのオフィスを行き来しながら、東京と大阪がシームレスに仕事ができるようになっている。「設立当初からこだわっているのが、映像の『質』。そこに対する頑固な制作姿勢は今でも変わりません。社員それぞれが映像の『ココロ』と『質』にこだわりを持ち、クライアントの目的を達成させるための表現に貪欲に取り組んでいます」と代表取締役社長脇田歩さんは話す。
社内では、年齢や部署を問わず、コミュニケーションが盛ん。映像や広告で良いもの、面白いものを見つけたらみんなで共有したり、声をかけあう文化がある。また、毎年行われる年末の納会では、社員が手がけた作品を全社員で鑑賞する。
その中から、投票によってその年の「21大賞」を決定している。「外部からの刺激も必要ですが、内部で刺激しあうことがとても大事だと考えています。少人数の会社だからこそ、社員全員の顔と名前、作品が合致し、なおかつ会社が求める『質』の意識が共有できていると思います」とチーフ・プロデューサー 大塚政利さんは話す。
Webムービーで若手にもチャンス
最近では、テレビCMのほかにWebムービーの企画やSNS広告用の短い映像などの制作も増加。ディレクターやプロデューサーはそれぞれの得意分野で、幅広い種類の映像を手がけている。Webムービーはテレビよりも尺が長いためスタッフも多く必要になり、若手も含めたチームで制作を進めることが多い。
昨年7月に公開されたテレビCM「第98回全国高校野球選手権大会『ダンス篇』」は高校球児を彼らと同じ高校生がダンスで応援するという内容で、公開から現在までに約68万回再生された。このCMのWeb動画を演出したのは入社4年目の若手社員。高校生がダンスを考え、練習する過程に追ったこの動画も、話題となった。
トヨタのランドクルーザーブランドサイトでは、険しい道でも進むことができるという車種の魅力を伝えるため、世界各地でランドクルーザーが使用されている場面を撮影し、ブランドムービーを制作。オーストラリア、南米、アフリカなど3大陸各地に、2年目の社員も含めたメンバーが赴き、撮影を行った。
「私たちの会社は、映像を一から制作する気持ちを大事にしています。年齢に関係なく意見を言い合い、時に利益を度外視しても『質』を求めます。そういう意味では、映像制作の会社というより、工房のようにみんなでつくりあげる雰囲気です」と企画・演出部小野良輔さんは話す。
「誰でも映像が作れる時代。その中で、プロとして映像で何ができるかが問われています。もちろんクライアントの目的を達成させることが一番ですが、全スタッフの『ココロ』をまとめ、『質』を向上させることを、プロとしてこれからも続けていきます。私たちは、変わることなく、映像の可能性を信じている小さな集団でありたいと思います」(脇田さん)。
※CAREER NAVI(『ブレーン2017年4月号電子ブック』P96以降)に、21インコーポレーションの求人が掲載されています。
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