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漫画家 長尾謙一郎さんが選んだ4冊の本

クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は漫画家・アーティスト・映像作家・アートディレクターと多彩な顔を持つ長尾謙一郎さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『フラッシュバックス ティモシー・リアリー自伝 ある時代の個人史および文化史』

ティモシー・リアリー(著)、山形浩生他(訳)
(トレヴィル)

ティモシー・リアリーはLSDの伝道師と呼ばれる男。人間の意識を拡張させる使命に駆られた革命家。時代はまだそれを規制する法律が存在していない60年代初頭のお話。彼はシロシビンという自然物質が人間に変成意識をもたらすことに注目した。

ティモシーいわく「人類を地球から解放したいんだ」。明らかに国家権力のスケールを超えた存在だった。この本はティモシーvsアメリカの闘いの歴史を綴った一大叙情詩であり、60年代アメリカンカウンターカルチャー史と言えよう。

Turn on Tune in Drop out.

この簡潔なスローガンは彼のコンセプトそのものだ。言葉は世界を変えてしまう。

ティモシーってシュルレアリストの残党なんだな。ちなみに、いま皆さんのお手元にあるスマートフォンやPCはLSDにインスパイアされて作られたものである。

この数年であなたの意識、拡張しましたよね?

冤罪逮捕、脱獄、変装、逃亡、さながらB級スパイ映画のような人生をあとがきにてこう振り返る。「この世界は主観決定的に現実を形成していくにすぎない。ああ、もっと早く知っていれば …

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