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感じるブックジャケット(PR)

「ハンマーで叩かれた文字」がデザインされたブックジャケット

電子書籍では得られない紙の本の魅力のひとつが、手触りや質感だ。ブックジャケットをつけられるのも本ならではの楽しさ。このコーナーではさまざまな質感を持つ竹尾のファインペーパーを使用し、そこに多彩な印刷加工技術を掛けあわせることで、触って感じる新しいブックカバーを提案していく。

ブックジャケット使用例

紙が持つ思想やストーリーを伝えるデザイン

ブックジャケットにエンボスでくっきりと浮かび上がる「読」「知」の文字。下に行くにつれ、その文字がだんだん広がり、変形して読めなくなっていく。今回電通のアートディレクター 玉置太一さんが選んだ竹尾のファインペーパーは「ハンマートーンGA」。このデザインは、紙の持つストーリーから発想したという。

「紙を選んでいるとき、『ハンマーで細かく叩きあげたような質感』という紙のストーリーが目に留まったんです。僕らはふだん、紙を"情報を伝えるためのキャンバス"ということだけで触れていることが多い。が、実はそのキャンバスにはこうしたストーリーや思想がある。知らないだけで他の紙もそうだったのかと改めて気づかされました。今回は竹尾さんとのコラボ企画なので、こうした紙の思想を伝えるデザインに、ストレートに取り組むことにしました」。

こうして生まれたのが、「ハンマーで叩かれた文字」がデザインされたブックジャケットだ。最初は読めていた文字が、叩かれ、変形して、読めなくなっていく。そのさまを4つのエンボス・デボス加工の組み合わせで表現した。輪郭が変容する過程を見せることで、文字の持つ「意味」を超えて、見る人に「時間」を感じさせるデザインだ。

紙の色はプラチナホワイトを選び、「ハンマーで叩く」というコンセプトを最大化するため、素の紙に加工のみで表現した。「エンボスとデボスのダブル加工はこれまで経験がなかったのですが、初回の打ち合わせで竹尾や印刷加工を行う美箔ワタナベの皆さんが色々とアイデアを出してくださって、一つの紙に4段階の凹凸という、思い描いていたような表現を実現できました。デザインは一見手数が少ないようにも見えますが、関わった人たちの思いやプロの仕事が詰まったデザインです」。

森永製菓 DARS「森永DARS」

日本大学藝術学部 学部統一イメージ広告「NEW ANGLE, NEW WORLD.」

アマナ 新ルームブランディング「IDENTITIES IN ME」

    今月使った紙:ハンマートーンGA

    ハンマーで細かく叩きあげたような優しい打ちつけ模様が特徴のエンボスペーパーです。共通の原紙を使用し、18種類のエンボスと50色のカラーバリエーションを展開する竹尾エンボスオーダーシステム(T-EOSシリーズ)の一銘柄です。

玉置太一(たまき・たいち)
1984年神奈川県生まれ。2006年日本大学藝術学部デザイン学科卒業。同年電通入社、現在クリエーティブ・ディレクション・センター5部所属。主な仕事に、日本大学藝術学部「学部統一イメージ広告」、森永製菓「inゼリー」「DARS」、Google「android」など。2017年JAGDA新人賞受賞。

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