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あれから10年

仕事に向き合う時間と生活の時間を両立させる働き方

柿木原政広

いまから10年前に独立した人は当時どんなことを考えていて、この10年どんなことをしてきたのか。第2回目は、ドラフトから独立した柿木原政広さんに話を聞きます。

柿木原政広(かきのきはら・まさひろ)
ドラフトを経て、2007年8月に株式会社10を設立。singingAEON、まいにちAEON CARD、静岡市美術館、松竹芸能、富士中央幼稚園のCI。フランス国立ギメ美術館での魯山人展のアートディレクション、カードゲームRocca(rocca-game.jp)などを手がける。NewYork ADC 賞・ONESHOW PENCIL賞・東京ADC賞等、受賞多数。
Photo:Kenichi Shimura/parade/amanagroup for BRAIN

設立当時の柿木原さん

仕事に向き合う時間と生活の時間を両立させる働き方

――10年前に独立をしたきっかけは?

グラフィックデザイナーの仕事をはじめたときから、いつかは独立しようと考えていました。そのタイミングが10年前、36、37歳のときだったということですね。当時の僕はJAGDA新人賞を受賞して、所属していたドラフトでは広告を中心に大きな案件を任されるポジションになっていました。

充実していたものの、先輩や同僚の仕事を近くで見ているうちに、僕もオリジナルプロダクトをつくりたいと思っていました。でも、組織の中で自分はリスクを負わないのに「好きにやらせてほしい」というのは図々しいことだと気づき、それなら独立して、自己責任でそれを実現しようと思ったんです。

――実際に独立してみてどうでしたか?

独立前から会社を続けるためには稼ぐ仕事とやりたい仕事のバランスをうまく取ることが大事だと思っていましたが、独立してみると、仕事を選ぶ余裕なんて全くありませんでした。頭ではわかってはいたけれど、現実としてドラフト代表の宮田識さんがどれだけレールを敷いてくれていたかに気づきました。

――ドラフト在籍中に宮田さんから学んだことで実践したことは?

宮田さんは「広告会社とは組まない」とよく言っていて、僕もその影響を受けています。すべてがそうとは言いませんが、広告会社と安易に組むと、仕事をもらって回すだけの存在になってしまう可能性があるので、そこは注意していましたね。

宮田さんから教わったことで実践しているのは …

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