編集部が街で気になった様々なデザイン
BOOK
赤根彰子『ことばのヨーガ』
(アノニマ・スタジオ)

- ブックデザイン/漆原悠一
- I/井上リエ
インド公認ヨーガ講師である赤根彰子さんのシリーズ3作目となる著書は、ヨーガにまつわるサンスクリット語の言葉を日本語に訳し、ひもといたもの。「担当編集者からは『手元に置いていつでも引ける辞書のような体裁にしたい』という依頼がありました」と、デザインを手がけた漆原悠一さん。辞書らしさを出すために、当初から金を差し色に使おうと考えていた。「各ページに一語ずつ紹介されているサンスクリット語がこの本の肝であると思っていたので、表紙の書名と著者名を日本語とサンスクリット語の併記にして、帯をはずすと見えるヨーガの言葉と共に金の箔押しで表現しました」。
何よりも大事にしたのが、本の世界観を拡張させる佇まいだ。表紙の箔押しをはじめ、本体のざらっとした紙の質感、活版印刷による帯の文字や本体の角丸など、手にした人に本の内容を感じてもらえる世界観をつくりこんでいった。一方、いまの世の中に流通する本として店頭でしっかりと存在感が出るよう、全体のバランスを細かく調整している。「お守りのように長く手元に置いてもらえる本になったら、うれしいですね」。
CD
エマーソン北村『ロックンロールのはじまりは』
(bubblingnotes)


- AD+I/惣田紗希
キーボード奏者 エマーソン北村さんの新作には、アルバムのタイトルと同じ「ロックンロールのはじまりは」から始まるエッセイが収められている。「そのエッセイのはじめに、敗戦直後の市場で始められた本屋の話が出てきます。その本屋の画像をエマーソンさんに見せていただいてイメージが膨らみ、このCDジャケットは本のようにしたいと思いました」と、デザインを手がけた惣田紗希さんは話す。エッセイは縦組みにというエマーソンさんの希望もあり …