グルーヴィジョンズが、1月6日から15日まで、東京・青山のスパイラルガーデンで「GROOVISIONS 5×27」と題した展覧会を行った。京都から東京に拠点を移して20年を迎えるグルーヴィジョンズの活動について、伊藤弘さんの話を聞きに行った。
巨大スクリーンに広がるモーショングラフィックス
グルーヴィジョンズの活動は、グラフィックやモーショングラフィックスを中心に、書籍、プロダクト、インテリア、ファッションなど、幅も奥行きも広がっている。「三三屋(みみや)」というセレクトショップを京都で開いていて、さまざまなユニークな活動を展開していると感じてきた。今回の展覧会を行ったスパイラルは、カフェをぐるりと取り巻く空間構成で、一般に向けて広く開かれた場。あそこを使って何をするのかと興味が湧いて取材に行った。
現れたのは、カフェの横の壁面いっぱいに広がる映像だ。伸び伸びと広がるスクリーンに、街の俯瞰図が映し出されているのだ。そこには見たことがあるような建物があり、人々がたくさん登場し、日常の活動が淡々と営まれている。ささやかな事件や事故も起きている。明快なストーリーがあるわけではないのに、見入ってしまう何かがある。
「1年半ほど前にスパイラルから依頼が来た時、この廊下のような空間を、どう使うかを考えるところから始めた」と伊藤さん。映像を流したいと思ったものの ...