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あれから10年

敵をつくらないビジネスモデル

戸練直木(kazepro)

昨年から今年にかけて、設立から10年目を迎えたデザインオフィスやクリエイティブエージェンシーが多く見られます。10年前に独立した人はどんな背景から、どんなことを考えて、自分の場所を築いたのか。そして、この10年の間にどんな変化があったのか。第一回目は、kazeproの戸練直木さんにお話をお伺いました。

カゼプロ代表取締役/クリエイティブプロデューサー 戸練直木(とねり・なおき)
1964年生まれ。86年第一企画(現アサツーディ・ケイ)入社。2004年10月に退社し、同年11月、リアルタイムクリエイティブエージェンシー風とバラッドの設立に参加。06年12月新会社「kazepro」を設立。2011年3月「カゼプロ株式会社」へ。

kazepro設立当時の戸練さん

敵をつくらないビジネスモデル

――kazepro(以下 カゼプロ)は、箭内道彦さんがつくった風とバラッドに戸練さんが参加し、2006年12月に分社化する形で独立しましたね。

風とバラッドは、僕がADKに在籍していた頃に箭内さんから「クリエイティブエージェンシーをやろう」と誘われ、設立に参加しました。当初から僕は制作部隊ではなく、プロデュース部隊。ただ営業の僕は、どうしてもマネジメント寄りの担当になってしまうので、箭内さんと相談して、自分が目指す会社としてカゼプロをつくることにしたんです。

――あらためてカゼプロとは、どんな会社ですか。

よく誤解されてしまうのですが、カゼプロはプロデュース主体の会社であり、クリエイティブに特化したエージェンシーです。一般的なプロダクションの仕事はしていません。カゼプロの「プロ」をプロダクションととらえられてしまうことが多く、この10年間「自分たちは何者であるか」を伝え続けてきました。設立時、風グループの制作会社「風とマック」からデザイナーを引き継いだこともあり、広告営業(プロデューサー)とデザイナーがいるという他にはない構成になっているのが特徴です。そこで両者が融合する新業態にしようと考えて、そこを磨き続けてきました。

――カゼプロ流の仕事の進め方は?

社内にはプロデューサーとデザイナーしかいないから、当然のことながらクリエイティブディレクターも、アートディレクターも、コピーライターも基本的には外の人にお願いしています。そのスタンスは、いまでも変わりません。今でこそ当社のデザイナーはアートディレクターとして大手クライアントから指名で仕事をいただけるようになりましたが、当時はまだ彼らが若かったので、秋山具義さん、青木克憲さん、西岡範敏さん、手島領さんなどのアートディレクターに、案件ごとにお願いしてチームを組んでいました。

そして、僕は最初から「敵をつくらないビジネスモデルをつくろう」と考えていました。ですからクライアントからの仕事はもちろん、広告会社からの仕事も全力で協力します。

ADK時代からの自分のスタイルでもあるのですが、僕は生粋の営業なので、「クライアントの商品が売れるか」「その仕組みをつくれるか」「どうすれば競合に勝てるか」などを常に考えています。そうすると ...

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