クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。第93回目は、コンセプターの和田健司さんに、仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。
『Simply Droog』
Droog design(著)
1993年突如として現れ、世界に衝撃をもたらしたオランダのコンセプチュアルデザイン集団DroogDesignの10年以上にわたる軌跡を作品と共に巡る一冊。作品は年代順ではなく、新たに作られたコンセプト別に並べ直されている。有名な作品をただ象徴的に飾るのではなく、部屋の模様替えをするように背景やストーリーが編集し直されていることで、作品に新たな息吹が吹き込まれている。大学生の時に彼らに出会い、衝撃を受けた僕はオランダに行き、大学院教育を通じてDroogDesignに師事した。ひとつのコンセプトで誰かを笑わせたり、泣かせたり、心を動かしたり、人生観すら変えてしまうことをあっけらかんとやってしまう彼らの仕事っぷりに、毎日驚き、そして自分の発想力のなさに苦悩した。もし僕がDroogDesignに出会っていなければ …