デザイン・アート・広告賞 今月の展覧会&コンペティション
畠山直哉 写真展 まっぷたつの風景

Terrils #02337(2009)
畠山直哉は、石灰石鉱山や工場、都市のビル群や地下空間など、自然・都市・写真のかかわり合いに主眼をおいた一連の作品を制作。彼の作品には、普段見ることのできない場所の、壮大で、ときには畏怖を感じさせるような光景が写し出されている。本展のタイトルは、物事にすぐ白黒をつけようとすることに注意を促す寓話『まっぷたつの子爵』に由来。物事を無理矢理まっぷたつに分けてしまえば、成り立たなくなってしまう、それが風景に対しても言えるという仮説のもとに展示を構成。東日本震災以降、変貌する故郷・陸前高田を撮影し続けてきた彼の「風景」には、過去からの大きな断絶、そして、未来の「風景」への気配がある。
せんだいメディアテーク6階 ギャラリー4200 | |
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11月3日~2017年1月8日 |
工芸とデザインの境目

野面積み石垣/コンクリートの壁
写真提供:金沢21世紀美術館

GEOLUXE Stone 写真提供:金沢21世紀美術館
ものづくりという点において、工芸とデザインは同じだが、両者は異なるジャンルとして区別される。その境目は実に曖昧だが、たとえば、工芸を生み出す手の技とデザインの機械の精度には価値の違いが現れる。本展では、「プロセスと素材」「手と機械」「かたち」「経年変化」といった観点から工芸とデザインを見つめ直すことによって、曖昧模糊とした境目を浮き彫りにする。それと同時に、最先端技術の発達などによって多様化が進む両者の新たな地平を考察する。
金沢21世紀美術館 展示室1~6 | |
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開催中、2017年3月20日まで |
色の博物誌-江戸の色材を視る・読む-目を凝らしてじっと見てごらん、色の表情が豊かに立ち上がる-

歌川国芳《東都名所 するがだひ》
山口県立萩美術館・浦上記念館蔵

浮世絵の青「青花」
目黒区美術館では、これまで「青」「赤」「白と黒」「緑」「黄色」をテーマにした「色の博物誌」シリーズを開催。考古・民俗・歴史・美術を横断しながら、それぞれの色材文化史を紡いできた。本展のテーマは、「江戸時代の豊饒な色材」。緑青、朱など、粒子が際立つ不透明感のある無機系の色材と、藤黄、アオバナ、紅、藍などの透明感のある有機系の色材に着目する。人の知恵と工夫により丁寧に作られてきた色料や絵の具で制作された「国絵図」と「浮世絵」を展示。色の原材料や特質を知ることで、作品を楽しむ新たな視点が生まれる。
目黒区美術館 | |
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開催中、12月18日まで |
アトリエ・オイ展-material play

メインビジュアル

Objets Nomades,Louis Vuitton,2012
今年設立25周年を迎えるスイスの建築デザイン事務所アトリエ・オイ。その領域は、建築、インテリア、プロダクト、グラフィック、インスタレーションなど多岐にわたり、アルテミデ、ブルガリ、ダネーゼ、ルイ・ヴィトン、モローゾ、リモワをはじめ世界に名だたる数多くのブランドのプロジェクトを手がけている。徹底した試作と、検証を幾重に重ねる素材の探求、素材の特性を生かす斬新な発想によって …