世界の観客が沸いた! リオ大会 旗引き継ぎ式の舞台裏(前篇)
「安倍マリオ」の登場など、予想外の演出の連続で観客を沸かせたリオ大会旗引き継ぎ式の東京プレゼンテーション。日本を代表するトップクリエイターたちが一丸となってつくりあげたセレモニーの舞台裏を公開する。
企業・社会を変える クリエイティブプロジェクト
銀座4丁目の交差点で50年間、多くの人に親しまれてきた「日産ギャラリー」が今年9月「NISSAN CROSSING」としてリニューアルオープンした。「『ショールーム』から『ドゥールーム』へ」をコンセプトに、さまざまな体験型インタラクティブコンテンツが設置された。
1963年から2014年までの約50年間、銀座4丁目交差点の一角で道行く人々に親しまれてきた「日産ギャラリー」が2年間の休館期間を経て、今年9月に「NISSAN CROSSING(ニッサンクロッシング)」として生まれ変わった。リニューアルを企画、担当したのはTBWA\HAKUHODOのチームだ。
リニューアルにあたり、日産自動車からの要望は、単なるショールームではなく、ブランド価値を世界に発信する場所にしたいというものだった。銀座4丁目交差点はいま日本で一番、訪日観光客が来る場所になっている。つまり世界中の人が交差(CROSS)する場所。そこで「NISSAN CROSSING」というネーミングの元、訪日観光客をメインターゲットに、グローバルメッセージを体現し、ブランド体験ができる場所に変えることが求められた。
今回のリニューアル案件は、日産のグローバルマーケティング部門が直接担当する案件となっている。体現すべきメッセージは、現在グローバルで打ち出している2つのメッセージ「Innovation that excites(今までなかったワクワクを。)」と「Nissan Intelligent Mobility(ニッサン・インテリジェント・モビリティ)」である。
このリニューアルを担当したTBWA\HAKUHODOのエグゼクティブクリエイティブディレクター佐藤カズーさんは「昔の銀座は日本人の街でしたが、訪日観光客が政府の予測よりも倍の規模で推移していることからもわかるように、銀座にはインバウンドの観光客が増えています。さらなる増加が予想される2020年に向けて、かつての日産ギャラリーに求められる役割は大きく変わり、それにふさわしい提案が求められていました」と話す。
体験シナリオは、空間のクリエイティブを得意とするアーキセプトシティのクリエイティブディレクター室井淳司さんとチームを組み進めていった。「クライアントからは、訪れると想定される来場客に合わせたカスタマージャーニーをまず設計し、それに合ったモニターや音響、什器の提案をしてほしいと話がありました。我々の提案のポイントは、『Show Room』ではなく『Do(体験)Room』にすること。体験型のインタラクティブコンテンツを中心に導線設計を提案したのです」と佐藤さん。
実際にはカスタマージャーニーの設計はどのように進められていったのか …