クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。第92回目は、詩人の三角みづ紀さんに、仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『生きていくうえで、かけがえのないこと』
若松英輔(著) (亜紀書房)
十代のころは図書室に通いつめてばかりいて、アイドルのような存在の作家がたくさんいた。しかし自分が書く仕事についたら、そこまでだれかに熱狂することもなく、新刊を待ちわびることも少なくなった。
二十才の冬に難病を患い、それがきっかけとなって詩を書きはじめた。そうしたら本がなかなか読めなくなった。焦っていたが「自分と向き合う時機」だったのかもしれないと、本著を読み納得した。
若松英輔の本に出会ったとき、同じ時代を生きるアイドルをみつけたと …
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