福部明浩×永井聡「企画をジャンプさせる演出家の発想法とは?」
MATCHやカロリーメイトなどで数々のヒットCMを連発しているプランナー福部明浩さんとディレクター永井聡さんの2人。福部さんがほれ込む、永井さん独特のアイデアをジャンプさせる方法論とは?2人の対話から迫る。
拡散する時代 人を動かす表現はテレビCMに学べ
短い時間内で言うべき内容を精査する、企業の言いたいことを生活者の聞きたいメッセージに転換するなど、テレビCMの中には長年かけて培われた広告コミュニケーションの技術や考え方が詰まっている。クリエイティブディレクターの小田桐昭さんに、改めてCMクリエイターの持っている技術とは何かを話してもらった。
近年、ネットの台頭によって、広告は「広告クリエイティブより広告コンテンツ」「説得よりもシェアされて広まることが大事だ」というような言われ方をするようになりました。
僕たちが広告の仕事を通じてこれまで何を勉強してきたかといえば、それは人を説得する技術です。見知らぬ人の心をすばやく捉え、心を動かし、ひいては人を動かす技術を極めようとしてきたわけです。単に面白くて人がわっと飛びつくものさえ作っていればいい、というものではありません。だとしたら、この仕事は面白くもなんともない。
DDB 創業者でフォルクスワーゲンの「Think Small.」などの伝説的なキャンペーンを手がけたビル・バーンバックは「説得は科学とアート(アート=技術や表現の意)からできている」と言いました。CMを制作してきた僕らが面白いと思ってきたのは …