2016年 カンヌ 日本の受賞は全部で49作品
パナソニック「Life is electric」をはじめ、デザイン部門は相変わらず強い日本。しかし、他の部門が厳しい結果となった。カモ井加工紙「MT」と資生堂「HIGH SCHOOL GIRL?メーク女子高生のヒミツ」はこれまでに数多く国際広告賞を数多く受賞しているが、今回も2部門以上で受賞。オーストラリア政府観光局「GIGA selfie」も3部門での受賞となった。
カンヌライオンズに見る世界の広告2016
全世界から集まるクリエイティブ。各部門の審査員たちは、それぞれ審査基準を設け、細かく審査を行う。2016年、その頂点に立ったのは、どんな作品なのか。グランプリ作品を中心に審査員の講評とあわせて見ていこう。
デジタルクラフト部門 グランプリ
Because Music「Because ReCollection」84.PARIS(フランス)
インディペンデントの音楽レーベルBecause Musicの10記念した特設サイト。所属アーティストのこれまでの楽曲とアートワーク(CDジャッケトなど)を連動させ、インタラクティブに触って遊べるようになっている。細部まで計算され、こだわり抜いたクラフト性が評価された。
清水幹太(PARTY NY)米澤香子(電通)
米澤▶ 審査方針として掲げられたのは、私たちはデジタルクラフトの審査員なのだから、“クラフト”をきちんと見る、ということ。具体的には、デジタルをどう活用しているのか、それがどう機能しているのか、デジタルスペシィフィックなところはどこなのか…と考えながらも、あくまでもエグゼキューションを大切にしようという話でした。
清水▶ 審査で一番重視したのは、デジタルにおける触り心地です。近年SNSはもちろん、ユーザーがコミットする体験などを提供することで …