2016年 カンヌ 日本の受賞は全部で49作品
パナソニック「Life is electric」をはじめ、デザイン部門は相変わらず強い日本。しかし、他の部門が厳しい結果となった。カモ井加工紙「MT」と資生堂「HIGH SCHOOL GIRL?メーク女子高生のヒミツ」はこれまでに数多く国際広告賞を数多く受賞しているが、今回も2部門以上で受賞。オーストラリア政府観光局「GIGA selfie」も3部門での受賞となった。
カンヌライオンズに見る世界の広告2016
全世界から集まるクリエイティブ。各部門の審査員たちは、それぞれ審査基準を設け、細かく審査を行う。2016年、その頂点に立ったのは、どんな作品なのか。グランプリ作品を中心に審査員の講評とあわせて見ていこう。
プリント&パブリッシング部門・メディア部門 グランプリ
Burger King「McWhopper」Y&R New Zealand Auckland(ニュージーランド)
9月21 日の国際平和デーに、バーガーキングは世界平和に貢献すべく、バーガーキングとマクドナルドの休戦宣言を新聞に出稿。そして、ハンバーガーを合体させた「McWhopper」の発売を提案した。マクドナルドには断られ実現しなかったが、競合企業が一緒にやりたいと手を挙げるなど社会現象となった。
Tom Paine(Y&R New Zealand)
2015年9月21日、バーガーキングがライバルであるマクドナルドに呼びかけた合体バーガー「McWhopper」。マクドナルドはその提案を拒否したが、そのことを知った人たちが独自に「McWhopper」をつくり、ソーシャルメディアで写真をアップするなどして拡散。その結果、競合他社が手を挙げるなど社会現象にまでなった。
McWhopperのクリエイティブディレクターTom Paineさんは次のように話す。「アイデアは自分の置かれた環境の影響を受けるものです。私の知り合いは誰でも、私が食べ物に目がないことを知っています。私の腹部のあたりを見れば明らかでしょう。そのため、大学のときのニックネームは『skinny fatman’』でした。
2011年D&ADが国際平和デーのためのオープンブリーフを発表したとき、私の頭には食べ物があったので、自然とMcWhopperのアイデアへ向かいました …