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2016 TCC賞 新人賞・審査員講評

TCC新人賞2016 受賞作品発表

2016年度TCC賞 受賞リスト

グランプリ

篠原誠、野﨑賢一、佐藤舞葉(電通)
KDDI au「三太郎」シリーズ/みんながみんな英雄。/TVCM

TCC賞

福里真一(ワンスカイ)サントリーホールディングス 
BOSS「宇宙人ジョーンズ」シリーズ/この惑星の新幹線は、妙にテンションがあがる。/TVCM

澤本嘉光(電通)、照井晶博(株式会社照井晶博)日清食品ホールディングス 
どん兵衛「どんばれ」シリーズ/「生まれ変わってまた会おう・・・」「どん兵衛さーん!!」「生まれ変わったよ」 どんばれ/TVCM、屋外ボード、ポスター

都築徹(電通中部支社)東海テレビ放送 
自社キャンペーン~戦争を、考えつづける~シリーズ/戦争を、考えつづける。/TVCM

麻生哲朗(TUGBOAT)住友生命保険 
企業シリーズ/「お父さんは?」「あっ忘れた」/TVCM

太田祐美子(電通)宝島社 
企業/死ぬときぐらい好きにさせてよ/新聞

権八成裕(シンガタ) ストライプインターナショナル(旧クロスカンパニー) 
earth music & ecology「合唱」篇/争う人は 正しさを説く 正しさゆえの 争いを説く(中島みゆき「Nobody Is Right」より)/TVCM

大貫冬樹(電通)フマキラー 
デング熱対策シリーズ/許しがたいことに、赤ちゃんは体温が高いため刺されやすい。命のそばに、フマキラー。/ポスター、新聞

多田琢(TUGBOAT)大和ハウス工業 
企業「ここで、一緒に」嘘篇/元気がなかったのは、私のことだったんだよね?/TVCM

麻生哲朗(TUGBOAT)住友生命保険 
1UPシリーズ/ピンときましたね。こいつ、1UPしたな。/TVCM

木村透(博報堂)、熊谷正晴(TBWA\HAKUHODO)日産自動車 
企業「やっちゃえ」シリーズ/“やっちゃえ”NISSAN/TVCM、ポスター

村田俊平(電通九州)、越智一仁(電通)宮崎県小林市 
移住促進「ンダモシタン小林」篇/じゃっどん 気が ちぃちょったじゃろかい おいがここずい西諸弁で喋っちょったとに/Web movie

渡邉千佳(電通九州)長崎自動車 
長崎バスシリーズ/帰省のひとはすぐにわかる。なんでもない景色を、見る目がやさしい。発車します。/ポスター

秋山晶(ライトパブリシティ)キユーピー 
キユーピーマヨネーズ「色の力」シリーズ/野菜の色を食べる。/TVCM、雑誌、ポスター

福部明浩(catch)大塚食品 
MATCHシリーズ/青春がないのも、青春だ。/TVCM

審査委員長賞

河野孝典(電通)日本コカ・コーラ 
ジョージア「電気設備技師」篇/「きれーい!」「これつくった人すごいねー」「…俺です」/TVCM

福部明浩(catch)アキタ 
きよらグルメ仕立て「おふとん」篇/グルメな卵「きよら」で作ったおふとんを、私にかけてください。/TVCM

中村直史(電通九州)健康コーポレーション 
RIZAP「BA峯岸みなみ」篇/結果にコミットする。/TVCM

福里真一(審査委員長)

複雑化する世の中で、広告が少し理屈っぽくなりすぎているのではないか。そこで、“あんまり難しく考えすぎない”という審査方針を掲げてみました。あんまり難しく考えすぎないで生まれた、ぬけのいいコピーや企画を、あんまり難しく考えすぎないで、ズバッと選ぶ。グランプリの、au「三太郎」シリーズは、そのぬけぬけとした会話とノリのよさが、理屈ではなく人々に届いたんでしょうから、たまたまではあるものの、審査方針通りの結果にはなりましたね。ちなみに、私が審査委員長賞で受賞作以外に迷ったのは、ポカリスエットのTVCM「母です」「子です」というセリフ、英進館「歩く男」篇の企画、今西数英教室「夜」篇の「ボクらの夜が、ここで」のコピー、ロッテガム サイモン利根川の「OK、結果を出そう」のセリフなどです。どれも心に届く何かを発していました。戦略や方法論ばかりだと、広告はやっぱりちょっとつまらない。おもしろさは、コピーやセリフなどの細部に宿る。受賞したみなさま、おめでとうございます。

秋山晶

手もとにある「ブレーン」誌、7月号を見る。数えるまでもなくCMの点数が印刷物よりはるかに多い。審査のあいだ僕はずっと印刷されたコピーをさがしていた。そしてノミネートされた作品では、文字に投票しようとした。審査が終った直後、疲れた。きっと無理をしていたからだ。さっき、「三太郎」のディテールに驚き、「宇宙人ジョーンズ」を見て、あんなに喜んでいたじゃないか。

石川英嗣

今年は特にバラエティに富んだ受賞作品が並んだように思う。話題作、常連作、ドキュメンタリー、家族ドラマ、1行の力、歌、地方のパワー等々…どれもレベルが高い。さまざまな技が飛び交う中、東海テレビ放送の作品は、控え目でシンプルなつくりが、かえって目立っていた。認知症老人のコピーはドキッとした。最高新人賞は、作品のクオリティの高さで群を抜いていたように思う。CM、グラフィック共に受賞したのはすごい。

磯島拓矢

今年も2~5分程度の感じのいいムービーが数多く出品されていました。どれも丁寧につくられているのですが、中々票を入れられず。撮影や編集の技術に比べ、言葉の技術を感じにくいというか…難しいものです。なるべく新しい可能性の発見を心掛けて審査にのぞんでいるのですが。

一倉宏

グランプリは圧倒的な質量だったですからね。今年は初受賞の新世代がさらに出てきました。昨年から新しい風が吹いてますね。長崎バスの渡邊さんのダブル受賞は、前代未聞の快挙です。その他の新人賞でも東京では見たことのない仕事が多く、一極にならないのはよいことでしょう。新しい世代の台頭もそうですが、そこに見える多様性に、これからの可能性を感じます。新鮮な年鑑になるでしょう。

岩田純平

フマキラーが好きでした。時代性やちょっと新しい価値観を持ちこむことで、企業としてとても新しく見えるんだなあ、と。コピーライターとして勇気をもらえる広告でした。受賞しなかったもので個人的に好きだったのは、ライフカードとカロリーメイト。ファイナリストにはあまり残ってなかったですがYKK APの雑誌広告も好きでした。全体の印象としてはグラフィックにちょっと厳しめですね。二次審査が。単品審査の限界を感じたりしました。

太田恵美

改めて受賞した広告を拝見したのだが、同業者であることを忘れ、つまりジェラシーを感じるという基本姿勢をとる間もなく、吹き出すわ、目を離せないわ、鼻がツンとするわ、のてんてこ舞いになったという次第。その出来の良さはコピーだけの力ではないのは当然だけれど、でも(セリフも含め)コピーを読むだけでも面白いのだ。よくよくコピーライターが考え、あるいは選び抜いたとわかる。すてきな結果だと思います。

尾形真理子

今年は東京ならぬ全国?日本?のコピーライターズクラブの審査のようでした。長崎バス、東海テレビや宮崎県小林市、その他もたくさん…それらは共通して、「地方のパワー」というよりも「地元のパワー」を感じるクリエイティブだと思いました。誰より商品をちゃんと知っている。価値を実感でとらえている。そんな原点の強さを教えてもらいました。

岡本欣也

書き言葉から話し言葉へ。フォーマルな発表の舞台から、カジュアルな日常会話へ。企画自体は創造的に複雑化しているが、そのぶん言葉は単純化している。それが時代の傾向でありクリエイティブの最先端だと認めつつ、僕個人としては違う何かを模索したいなと思った。ちょっと大げさに書いてしまいましたが、例えばパナソニックの新聞広告「わたしが、取扱説明書になります。」シンプルだけど深い、街のでんきやさんが好きになる、こういうのがいい。

岡野草平

受賞作はどれも素晴らしいと思った。一方でこのあいだ打ち合わせ部屋に置いてあった1992年の年鑑を久しぶりに見たら、今年のものはどれも入らないんじゃないかってぐらいレベルが高かった。やばい…もっとがんばろ…

小野田隆雄

新人賞やTCC賞の応募作に接して、フレイズが無くなっている感じがした。五行詩のようなコピーや、舞台のセリフのような言葉が目立った。フレイズからセンテンスへ、広告の言葉に求められるものが変化してきたのだと思う。それは広告媒体の主流が変化したことへの対応である。一行のチカラでケリがつく広告の時代は過去になったが、新しいメディアに掲載された広告の言葉に新しい味わいや魅力ある個性が生まれつつあるように思った。

門田陽

おそらく多くの方とかぶると思いますが、一番印象的だったのは長崎バス。満票&ダブル受賞。羨ましいぞ、ナベチカ!で、たぶん誰も突っ込まないだろうから、あえてこの長崎バスのコピーに一言。名もなき一日を走る。って、なんか酔ってる気がするのです。名もない一日だったらもっと好きなコピーなのに、と個人的な感想です。おめでとうナベチカ!!

神谷幸之助

素晴らしい表現物をたくさん拝見して思ったことは、コピーライターとかCMプランナーとかクリエーティブディレクターなどの「職種」に意味を感じない審査でした。

国井美果

個人的感覚ではありますが「いま、確かにメッセージを受け取った」と感じる、意見が鮮烈ではっきりした仕事に投票したつもりです。あと、長崎バスや宮崎県小林市や青森のお米など、地域色のはっきりした仕事がより巧みに成されている印象がありました。そういえばライザップも九州ですね。今後その傾向がどんどん加速していくような気もして、もっとそうなると面白いなと思います。

児島令子

映像はドキュメントものが増えてきたね。フィクションよりドキュメンタリーという風潮はどうなの?そこに伝えたいベクトルが無ければ広告の自死かも。あれば強さになる。もうドキュメントだから強いってことじゃない。広告はリアルに負けるのでなく、リアルを取込んでそのフレームを広げていく。ふとそんなことを考えた2016年の私のグランプリは、東海テレビ「戦争を、考えつづける。」でした。

権八成裕

冒頭、例の炎上騒ぎについて福里さんの素敵な話で幕を開けた今年の審査会。内容はこの字数では書けないので本人まで問い合わせを。さて、改めて受賞作のリストを見返すと、あたかも、その発表された一行のコピーが評価されて受賞したかのような印象を受けるが、必ずしもそんなことはなく …

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