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モバイル動画時代に求められる新たなクリエイティビティ

Facebook「Creative Shop」

若年層を中心にモバイルの活用が進み、モバイルに最適化された広告のクリエイティブの開発の必要性が高まっている。Facebookが社内に持つクリエイティブチーム「Creative Shop (クリエイティブショップ)」の田中徹さんに、そのポイントと具体的な事例を聞いた。

田中徹(たなか・とおる)
Facebook クリエイティブストラテジスト。電通にコピーライターとして入社。クリエイティブディレクター職を経て退社。ONE SKY設立、GT INC.設立を経て2015年より現職。

広告の主戦場はモバイルに成否を分けるのは動画活用

いまやスマートフォンは10~20代が日々最も多く接触するメディア(※1 博報堂DYメディアパートナーズ『メディア定点調査2015』より)。Facebookの閲覧も実に90%以上がモバイルからになった。そして、モバイルで接触するコンテンツの中で伸びが著しいのが動画だ。1年前と比べ、動画の作成・シェアは約3倍、動画広告の認知効果は静止画の2倍(※2 カンター・ジャパン『Kantar Knowledge Share』調査(2015年11月)より)という。広告の“主戦場”はモバイルへと移行し、中でもモバイル動画がキャンペーン成功の重要なファクターとなっている。

モバイル動画で人を動かすためには、テレビCMとは異なる知見やノウハウが必要だ。Facebookにおいて、ニュースフィード上で効果的な広告表現を研究開発し、実践している自社内クリエイティブチームが「Creative Shop」である。Creative Shopの役割は、FacebookやInstagramに最適な広告表現についての知見を企業やエージェンシーとシェアし、結果を出せるようにサポートすることだ。そのためにワークショップの開催や、広告キャンペーンの企画開発も行っている。

「テレビのような大きな画面でメッセージを伝える術は心得ていても、モバイルの小さな画面に関しては、まだ試行錯誤している企業が少なくない。FacebookやInstagramでの広告展開に興味はあるが、実際どうすればいいのか?という企業の相談に乗っています」とFacebook クリエイティブストラテジストの田中徹さんは言う。

若年層向けに動画を展開 SUUMOのキャンペーン

Creative Shopによる企画で、FacebookおよびInstagramの専用の広告クリエイティブ制作に取り組んで成功したのが、SUUMOのキャンペーンだ。「20代を中心とした若年層の女性をターゲットに、SUUMOのブランドをリフレッシュすることが課題でした。SUUMOの場合、認知は十分にありましたが、あまりにも身近で、部屋探しをする際についつい他のブランドに目が向いてしまう。そこで、ブランドを再認知してもらうことを狙いました」。

第1弾のキャンペーンは2015年9月にInstagramを使って実施。まず、20代女性にターゲットを絞り、若年層で一人暮らしをしている女性は自分の趣味や好きな世界観を反映した部屋に住みたい欲求を持っている、と仮説を立てた。読書好き・料理好き・サーフィン好きの3タイプの部屋を用意し、そこで暮らす様子を切り取った15秒動画を各部屋3パターンずつ、合計9本制作し、「私の部屋は私です」というコピーを添えたInstagram動画広告として配信。部屋づくりの楽しさを伝え、SUUMOがそうした空間づくりの実現を応援するブランドであるとメッセージした。また、Instagramに公式アカウントも開設し、ここでも同一のコンセプトが伝わる写真を投稿。キャンペーンの結果、広告想起が44ポイント、ブランド認知度が全体で6ポイント向上したという。

この結果を受け、2016年2月からはFacebookとInstagramの両方を活用した第2弾のキャンペーンを実施。20代の男性、女性それぞれをターゲットに2つの動画シリーズを制作し、男性向けの動画では実家を出て初めて一人暮らしをするストーリーを、女性向けの動画では引っ越しをすることで気分一新して新しい生活を手に入れるストーリーを描いた。2つのストーリーがパラレルに進みながら、見る人にその先の2人の出会いを予感させる作りだ。1カ月ほどかけて展開し、話の展開を次々と追っていけるようにした。また、動画広告だけでなく、複数の写真や動画を並べて表示できる「カルーセル広告」や、Facebook 上にマイクロサイトを展開できる「キャンバス広告」も活用。Facebook とInstagramを同時に使うことで、無駄なく確実にターゲットにリーチし、さらにフリークエンシーを高めて広告効果の向上を狙った。ターゲティング精度95%以上という正確さを持つからこそできる、「見せたい人に深く届ける」プランニングである。

SUUMOのキャンペーン第1弾。「読書好き」「料理好き」「サーフィン好き」の3つのタイプの部屋を用意し、各部屋での暮らしの様子を切り取った15 秒動画を3パターンずつ、合計9本Instagram上で展開した。

全く新しいルールでの戦いでもコアなアイデアの重要性は変わらない

SUUMOの事例では第1弾・第2弾とも、田中さんが企画を行い、プロダクションが制作を担当した。このように自らキャンペーンを企画・実施する場合もあれば、テレビCMなどの既存の素材をFacebookに最適化するアドバイスを行う場合もある。

いずれも、モバイル動画を展開するポイントは次の3つだという。「『音』と『画角』、また『冒頭で何のブランドの広告かわかるようにすること』です。フィード内動画は無音で再生が始まりますから、字幕など音声なしでも伝わる工夫が必要です。テレビ用の画角の素材(4:3や16:9)はモバイル上では縮小されてしまうので、モバイルフィードに最適化した1:1サイズを推奨しています。モバイルならではの没入感や、距離感を掴んだ表現にすることで、さらに効果が高まります。フィードをスクロールする指を止めるには、最初の『3秒』が成否を分けると言われています。この3秒の間に『動くコンテンツであること』と『何の広告か』がわかるようにすることが肝要です」。

モバイルの動画広告はサイズも小さく音も聞こえない。テレビCMとは「ルール」が違う。だが「その使い方を知れば、逆にこのフィールドで戦う武器にすることができる」と田中さんは言う。「不特定多数の人に情報が届けられるマス広告では、『見ている人全員に好かれる』『わからない人を作らない』ことを考慮して作ります。しかしFacebookの強力なターゲティング機能によって『商品を使う(であろう)人に深く刺さるクリエイティブ』を突き詰めて考えて効果を上げることが可能になりました。コアなキャンペーンアイデアの重要性は変わりませんが、ターゲットのインサイトをピンポイントでつかんだ企画がこれまで以上に大事になります」。

高い技術に支えられたターゲティング機能と、それを最大に生かすクリエイティブ。それがFacebookの考える広告の「ART & SCIENCE」であり、今後の広告クリエイティブに欠かせない視点となりそうだ。

第2弾はFacebookとInstagramの双方で動画を展開。動画広告、カルーセル広告(写真や動画を並べて表示できる)、キャンバス広告(専用のランディングページを用意することなく、パノラマ画像や動画、カルーセル、モバイルならではの操作性を組み合わせ、ダイナミックな表現ができる)の3種類を展開した。

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