スマートハブラシが歯みがき体験を変える――「G・U・M PLAY」
4月18日、サンスターからスマホと連動するスマートハブラシ「G・U・M PLAY」が発売された。前例のない製品を企画、開発するうえでは、どのような課題を乗り越えていく必要があったのか。プロジェクト発足から2年かけて発売にたどり着くまでの道のりを聞いた。
企業を進化させる IoTのクリエイティブ
「ねこのヒゲが空気の流れを感じるように、髪の毛で音を感じることができないだろうか」。こんな発想から制作が始まったのが、聴覚障がい者が音を感じることができる装置「ONTENNA」だ。
ヘアピンのように髪の毛に装着し、振動と光で音の特徴を伝えるユーザーインタフェイス装置「ONTENNA」は、現在、富士通に在籍する本多達也さんが公立はこだて未来大学大学に在籍時に開発を始めたもの。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の2014年度未踏プログラム(※ IT技術を駆使してイノベーションを創出することのできる独創的なアイデアや技術を持つ若者を発掘・育成するプログラム。 )に採択され、開発を進めた。
そのきっかけは、大学の文化祭で聴覚障がいのある人と知り合ったこと。その後、手話サークルなどに入り、多くの聴覚障がい者とコミュニケーションをとる中で、本多さんはあることに気づいた。それは「音を感じられない」ということである。聴覚障がい者、特に手話を使う人は、健聴者が普段耳にしているような車のエンジン音や動物の鳴き声といった、音の大きさやパターンなどの特徴を理解することが ...