ブレーンのカバーを飾るのは、世界の先端を行くクリエイターたちの作品。今月は、オランダを代表するコミュニケーションエージェンシー、ケッセルスクラマーが「アイデアの混沌(anarchy in ideas)」をテーマにビジュアルを制作してくれました。
――表紙のアイデアについて教えてください。
このビジュアルは、クリエイティブアイデアの中にあるべき混沌や無秩序をシンボライズして表現しています。アイデアというものは、妥協やものわかりのよさによって作られるべきではないと私は考えています。それは、独立し、自立しているべきなのです。
――そのアイデアはどのように生まれましたか。
最高のアイデアというのは、多くの場合とてもシンプルです。私たちは「アイデア」と「混沌」の2 つを一つのシンプルなイラストでビジュアライズする最も簡単な方法は何だろうかと考えました。雑誌の表紙というのは、街中のビルボードのようなものだと思います。短い時間で瞬間的にコミュニケーションできなければならないのです。
――日本の広告やデザインについてどう思いますか。
日本の広告やデザインはしばしば破壊的なシンボルにあふれ、なおかつ記号的で、そこが好きです。ヨーロッパではめったに見られないこうした表現によって、直接的で時に皮肉混じりのコミュニケーションが可能になっていると思います。私にとって、日本のクリエイティブの中にある記号体系やユーモアはミステリアスに映ります。日本はまた、最先端のテクノロジーと最も歴史ある伝統の両極を結びつけることに長けた国です。
Erik Kessels
Q1. What is the idea for this cover? and how did you make it?
The cover symbolises the anarchy that should be in a creative idea. An idea should not be full of compromises but should be independent and stand on its own.
Q2. What made you come up with the idea?
The best ideas are often very simple. So we thought of easiest way to visualise ideas and anarchy in one simple illustration. The cover of a magazine is like a billboard, it should instantly communicate.
Q3. What do you think of Japanese advertisement and design?
What I really like about Japanese design and advertising is that it is often full of subversive symbols and symbolism.Something that is very hard to fi nd in advertising and design in Europe. Here these disciplines communicate very direct and sometimes with irony. The symbolism and humor I fi nd in Japanese creative work is often mysterious. Also Japan is a country that combines extreme new technology with extreme old traditions.
KesselsKramer
1996年にエリック・ケッセルスとヨハン・クライマーが設立したコミュニケーションエージェンシー。広告・デザイン・ミュージックビデオ・ドキュメンタリー・プロダクトデザイン・出版まで手段問わずクリエイティビティにあふれたアウトプットを行う。ディーゼル、ナイキ、Benなどの数々のクライアントを持つほか、自費出版によるフォトブック制作や展覧会のキュレーターも行う。アムステルダムに本社を置き、ロンドンにも支社「KKアウトレット」を持つ。