電子書籍では得られない紙の本の魅力のひとつが、手触りや質感だ。ブックジャケットをつけられるのも本ならではの楽しさ。さまざまな質感を持つ竹尾のファインペーパーを使用し、そこに多彩な印刷加工技術を掛けあわせることで、触って感じる新しいブックカバーを提案していく。
デザインを手がけたのは、2016 年度のJAGDA 新人賞を受賞したアートディレクター/デザイナーの村上雅士さん。兄・村上高士さんと㎡[エムニ]を共同主宰し、グラフィックを中心としたデザインから広告、ブランディング、本の装丁やパッケージデザイン、プロダクトデザインなどの立体、Web のアートディレクションまで幅広く手がけている。
「音声や映像、文字などを介してさまざまな媒体から多くの情報を得られるようになりましたが、過去の偉人の言葉や思想に触れることができるのは本を介してのみ。情報があふれる現代だからこそ、本を読む意味について今一度立ち戻り、ブックジャケットで表現したいと考えました」。
古代ギリシアの哲学者ソクラテスが語った名言「Employ your time in improving yourself by other men’s writings, so that you shall gain easily what others have labored hard for.(本をよく読むことで自分を成長させていきなさい。本は著者がとても苦労して身につけたことを、たやすく手に入れさせてくれるのだ)」を引用し ...