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話題になる・拡散される動画は何が違うのか?

技術力を示す「製品カタログ」ムービー

安川電機「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」

産業用ロボットで世界シェア1位を誇る安川電機が2015年6月、創業100周年を迎えた。その記念として公開した動画「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」は現在までに570万再生回数を超えている。



インナー向けの動画として制作

100周年記念イベント全体のプロデュースを担当することになった電通には、同社から「企画の1つとして、企業の歴史映像をつくってほしい」という依頼があった。「安川電機はBtoB企業。従来より外に向けてのプロモーションは行っておらず、世界各地で働く社員のモチベーションアップにつながる動画をつくりたいとのお話でした。でもせっかく動画をつくるなら、安川電機の技術力を世界にアピールできるチャンスにもなる。それを示すコンテンツをつくりましょう、と提案しました」と、電通プランナー 加我俊介さん。

そこで生まれたアイデアが、同社のロボットのスーパーデモンストレーションだった。電通CD 阿部光史さんは「社員も含め、誰もが見た瞬間に、すごい!と思える動画にしようと考えました。そう思ってもらうためには、誰もが知っているものにロボットをくっつけると理解と認知が早くなる。野球でバットを振るなど、いくつかの案を考えましたが、海外での反応を考えてサムライを選びました」と話す。さらに海外での拡散を狙い、自身の動画が世界中で800万回以上再生されている居合術家の町井勲さんをキャスティング。ロボットと町井さんによる居合の共演を動画で実現すべく、「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」がスタートした。

技術だけではなく、エンターテインメントとして見せる

ロボットに刀を持たせてモノを斬る――。これは、同社のロボット技術をもってすれば不可能なことではない。しかし、現場の技術者からの反応は厳しかった。「最初の会議で、技術者の方から、居合の動きは技術的に非常に難しいという意見をいただき…。でも、やったことがないからこそ世界初の映像になる。チャレンジしませんか?とお話をしました」と阿部さん。それに対して技術者から「刀の先端の加速度やスピード、入射角などの数値を具体的に提示してほしい」という要望があり、それがわからないと実現するのは難しいと言われた。

阿部さんたちは早速、ネット上にある居合斬りの動画をチェックし、数値を算出した。さらに町井さんに実際に刀を振ってもらい、その動きをモーションキャプチャし、30分の1秒単位のデータを作成。安川電機に送り、検証してもらった。「技術者のみなさんにとって、実現するために必要なものはデータ。やり取りをする中で、これならばできるかもしれないと言っていただき、居合の動きに最適なロボットとしてMOTOMAN-MH24が選ばれ、トライすることが決まりました」(阿部さん)。

ロボットを使うにあたり、安川電機から3つの要望があった。「ロボットの俊敏性、正確性、しなやかさを映像内で表現してほしい」。そこで阿部さんは上から下へズバッと藁を斬る“袈裟斬り”で俊敏性を ...

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