デジタルサイネージ、車内ポスター、駅ポスター、ラッピング広告など、年々進化し続ける交通広告。年間に数多の広告が掲出される中から優れた作品を選出、顕彰するジェイアール東日本企画主催による「交通広告グランプリ」は、今年で28回目を迎える。
審査で重視するのは、広告としての質
「交通広告グランプリ」の原点は、1956年の「秀作車内ポスター展」まで遡る。JR東日本の誕生を機に、1989年に「JR東日本ポスターグランプリ」が始まり、2006年には交通広告の多様化を受けて「交通広告グランプリ」に名称を変更した。そしてデジタルメディア、車内ポスター、駅ポスター、サインボード、企画という5つの部門を擁する現在の形となったのは2010年から。JR東日本の他、つくばエクスプレス、りんかい線、ゆりかもめ、JR貨物に掲出された作品を審査対象としている。「ポスターの紙の質感などがきちんと伝わるよう、現物での審査を徹底しています」と話すのは、同賞を担当する青木脩太朗さん。昨年は1780作品の応募があり、審査会場には駅ポスターと車内ポスターだけで1500枚近くのポスターが並べられた。「審査は、メディアの投下量には依存せず、純粋な広告表現としての質や企画性の部分が重視された審査となっています」。
近年、車内や駅構内のサイネージが進化、浸透するに伴い、応募作品が増えているのがデジタルメディア部門だ。審査会場でも、このメディアならではの特性を生かしたクリエイティブに注目が集まる。また、企画部門も駅・車両という空間を有効に生かした作品が増えており、年々ポスターだけではない交通広告の広がりを見せている。
贈賞式には毎年、受賞者、関係者など350人以上を招く。続く展示会では車両や駅をイメージさせるべく、車内空間を模したモックアップを使った展示やデジタルサイネージの実機の設置、スマートグラスを使用した駅空間の再現などを行い臨場感ある演出を実施。来場者は実際の掲出環境に近い空間で交通広告を体感できるため、好評を得ている。
進化し続ける交通広告の現在を映し出す本賞は、3月より本年度の作品募集を開始予定。特設サイトなどで詳細を発表する。
- グランプリ 1点(賞状・トロフィー・副賞)
- 最優秀部門賞 各部門1点 計5点(賞状・トロフィー・副賞)
- 優秀作品賞 各部門5点 計25点(賞状・副賞)
- JR東日本賞 1点(賞状・記念品)
募集概要
●賞
●応募部門
デジタルメディア部門/車内ポスター部門/駅ポスター部門/サインボード部門/企画部門
●主催
ジェイアール東日本企画
●協賛・後援
協賛:東日本旅客鉄道/東京メディア・サービス 後援:日本鉄道広告協会
●お問い合わせ
ジェイアール東日本企画
交通媒体局 交通広告グランプリ事務局
TEL: 03-5447-7885
04 ジェイアール東日本企画 交通媒体局 青木脩太朗さん。