「ロケットも、文房具から生まれた。」(2006年、岩崎俊一)他
コピーライターになって最初の仕事。それは広告をつくることではなく、消すことだった。「新聞広告の日」を祝う特別企画のために新聞の広告欄をすべて白く塗りつぶし、先輩たちがデザインを検証できるようにする実に新人らしい仕事。
東芝EMI THE TIMERS「復活!!タイマーズ」/1995年
○C/前田知巳
サントリー「ペリエ」/1984年
○C/糸井重里
角川映画『悪霊島』/1981年
「いろいろ奪うと、大人ができる」。僕は博報堂に入って前田知巳さんに師事しまして、入社一年目の仕事でTCCの新人賞をいただいたのですが、これはひとえに前田さんが「林に新人賞獲らせる計画」を発動させた結果でした。とにかく出来の悪い新人の僕にひたすら書かせる、それも10週連続で出稿される5段原稿の仕事を作って僕に任せ「俺は書かないからお前が書かないと原稿に穴が空くぞ」という問答無用のOJT。たいへん鍛えられました。で、結果新人賞はいただけましたが、あんなコピーライター冥利に尽きる仕事を僕が書いちゃって良かったのか、とも思っていたのです。そしたら、その横で前田さんはサラッと審査委員長賞を獲ってたんです、このコピーで。新人なんぞに心配されるまでもなく。
「A・B・C・Dのうちで、あなたに当てはまる部分をお読みください」。糸井さんが手がけた …